写真の価値は未来のいつかにある 浅田政志(写真家)

毎号分野を問わず、一道を切り拓いてこられた5名の方々にご登場いただく連載「致知随想」。創刊当初より読者の皆様から高い人気を得ている人気連載です。
今月は映画『浅田家!」で自身の半生が映画化され、大きな反響を呼んだ写真家・浅田政志さんがご登場。 日本中を飛び回り、百組以上の家族を撮影してきた氏はなぜ「家族写真」にこだわるのか。写真・家族と向き合い続けてきた浅田さんの歩み、写真が秘める力について語っていただきました。

写真との対話がいまの自分のあり方・生き方を見つめ直すきっかけになる。ひいては生きる力にも繋がっていく。

ですから、写真は〝未来を照らす道標〟だと思うのです

浅田政志
写真家

「一枚の写真で自分を表現しなさい」。この問いが写真家である私の人生の原点です。

三重県に生まれ、両親と兄がいる、ごくごく普通の家族の元で育ちました。父が年に一度、年賀状用の家族写真を撮っていたことも相俟って自ずとカメラに関心を抱き、物心つく頃には写真に携わる仕事がしたいと朧気ながら考えていたのです。そのため高校卒業後は大阪の写真専門学校に入学。課題として冒頭の問いが出されました。

難しいテーマにすぐに答えは定まらず、期限は刻一刻と迫ってくる。焦りと葛藤に苛まれていたその時、ふと「人生で一枚しかシャッターを切れないとしたら、一体どんな写真を撮るだろう」という疑問が頭に浮かんだのです。

一枚ならば、家族を撮りたい──。まさにパッと心の霧が晴れた瞬間でした。

ただし、単純に家族を撮っても面白味がありません……(続きは本誌にて)

プロフィール

浅田政志

あさだ・まさし――1979年三重県生まれ。日本写真映像専門学校研究科を卒業後、スタジオアシスタントを経て独立。2009年写真集『浅田家』(赤々舎)で第34回木村伊兵衛写真賞を受賞。2010年には初の大型個展「Tsu Family Land 浅田政志写真展」を三重県立美術館で開催。2020年には著書の『浅田家』、および『アルバムのチカラ』(赤々舎)を原案とした映画『浅田家!』が全国東宝系にて公開され、大きな反響を呼んだ。


2023年9月1日 発行/ 10 月号

特集 出逢いの人間学

バックナンバーについて

致知バックナンバー

バックナンバーは、定期購読をご契約の方のみ
1冊からお求めいただけます

過去の「致知」の記事をお求めの方は、定期購読のお申込みをお願いいたします。1年間の定期購読をお申込みの後、バックナンバーのお申込み方法をご案内させていただきます。なおバックナンバーは在庫分のみの販売となります。

定期購読のお申込み

『致知』は書店ではお求めになれません。

電話でのお申込み

03-3796-2111 (代表)

受付時間 : 9:00~17:30(平日)

お支払い方法 : 振込用紙・クレジットカード

FAXでのお申込み

03-3796-2108

お支払い方法 : 振込用紙払い

閉じる