困難の中にこそ挑戦する価値がある 鈴木敏文(セブン&アイ・ホールディングス名誉顧問)

鈴木敏文氏。日本最大のコンビニチェーン「セブン-イレブン」をゼロから立ち上げた功績は多くの人が知るところである。この挑戦を見事成功へと導いた背景には、新卒で入社した東京出版販売(現・トーハン)で磨いた挑戦マインドがあったという。氏の経営者としての原点となった二十代の歩みを辿ることで、人生をひらく要諦を探る。

困難の中にこそ挑戦する価値がある。信念を持って挑戦し続けていると、世の中の常識のほうが変わっていくものだ

鈴木敏文
セブン&アイ・ホールディングス名誉顧問

 日本でもコンビニ事業を始めようと志を立てたものの、当時社長だった伊藤雅俊(現・セブン&アイ・ホールディングス名誉会長)をはじめ、ダイエーの中内㓛(いさお)さんや西武の堤清二さんなど、誰からも賛同を得られなかった。それどころか日本では絶対に成功しないと、四面楚歌の状況だったのである。
 しかし、その意見をよくよく聞くと「大は小に勝つ」という過去の経験に基づいた規模の大小論ばかりで、コンビニという小売業に対する明確な反論はなかった。世の中が変化している時、常識という過去の経験の蓄積に囚(とら)われることほど恐いものはない。生意気にもそう考え、自分の信念を曲げずに情熱を持って挑んだことで、日本でコンビニ事業を確立することができたのである。
 この経験から二十代を含め若者の皆さんに伝えたいのは、「挑戦」のひと言に尽きる。時代は常に変化しているため、過去の成功事例に縋(すが)りついているだけでは成功は掴めない。「変化対応」が昔から私のモットーだ。

プロフィール

鈴木敏文

すずき・としふみ――昭和7年長野県生まれ。31年中央大学経済学部卒業後、東京出版販売(現・トーハン)に入社。38年ヨーカ堂(現・イトーヨーカ堂)に転職。48年セブン-イレブン・ジャパンを設立し、コンビニエンスストアを全国に広め、日本一の流通グループとして今日まで流通業界を牽引する。平成28年5月より現職。著書に『わがセブン秘録』(プレジデント社)など多数。


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