4 月号ピックアップ記事 /対談
稲盛塾長に教わった経営哲学 稲田二千武(ファミリーイナダ会長兼社長) 小池由久(日本経営ホールディングス名誉会長)
稲盛和夫氏の哲学に学び、それを経営や人生に生かす有志の集まりである盛和塾。国内外で2万人近い会員を擁してきたこの経営者グループを立ち上げた立役者の一人が稲田二千武氏である。一方、盛和塾大阪支部の代表世話人を務めた小池由久氏は、2019年の盛和塾解散後も「大和」という有志の会に参画し稲盛哲学の学びを続けている。塾長である稲盛氏の教えを実践し、逆境を乗り越えてきたお二人の足跡を通して、稲盛哲学の神髄が見えてくる。
塾長から教えられた哲学をひと言に集約すると「人事を尽くして天命を待つ」。これ以外にはないと思っています。
稲田二千武
ファミリーイナダ会長兼社長
ここでいう「人事を尽くす」とはただの努力ではないんですね。前提となるのは「動機善なりや、私心なかりしか」、つまり自分自身の生き方が美しいかどうか、利他の思いで生きているかどうかですよ。そうやって人事を尽くしていさえすれば、あとは自然によくなるから、無駄に悩むことをしなさんな、という意味に私は捉えているんです。
私は「中小企業の経営者の存在自体が大きな社会貢献です」という稲盛塾長の言葉に大変励まされました。
小池由久
日本経営ホールディングス名誉会長
自分一人で生きていくのが大変な世の中にあって、たとえ一人でも二人でも雇用していけば、その人たちに幸せを与えることになり、それはそのまま社会貢献という意味なのですが、一人の経営者として勇気が湧くメッセージをいただいたと思っています。
塾長はまた経営は仏行という言い方もされています。人を助ける経営者としての使命を自覚して前進してほしいという思いを込められた言葉で、そういう精神を若い経営者にぜひ伝承していきたいと思っているんです。
プロフィール
稲田二千武
いなだ・にちむ――昭和15年鳥取県生まれ。34年米子商業高校卒業、大阪の鉄工所に就職。37年中央物産創業、社長に就任。平成10年上海に発美利健康器械、13年アメリカにFAMILY INADA INCをそれぞれ設立。17年米子国際ファミリープラザ開業。19年シャトー・おだか開業。22年大山レークホテルの事業を継承し、運営を開始。
小池由久
こいけ・よしひさ――昭和29年岐阜県生まれ。高校卒業後、47年会計事務所(現・日本経営)に入社。平成8年社長に就任。19年会長を経て、27年名誉会長に就任。調剤薬局チェーン・サエラ社長、社会福祉法人ウエル清光会理事長も兼任。
編集後記
盛和塾生として長年、稲盛さんを師と仰ぎ薫陶を受けてきたファミリーイナダ会長兼社長の稲田二千武さんと、日本経営ホールディングス名誉会長の小池由久さん。様々な逆境、試練の中にあっても稲盛哲学を揺るぎない心の支えとして乗り越え、企業を成長に導かれたお二人だからこそ語れる稲盛さんの人間像が明らかになります。
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