12 月号ピックアップ記事 /我が心の稲盛和夫
将来を熱く語り合った在りし日を偲んで 村田純一(村田機械会長)
稲盛さんは思いつきで言葉を発せられることはなく、一度掲げた目標に向かって着実に、一歩一歩達成するまでしつこく努力されました
村田純一
村田機械会長
稲盛さんとの出逢いは20代後半、繊維機械の販売を得意としている当社が京セラのセラミック部品を仕入れたことで知り合いました。稲盛さんは私の3つ上と年齢が近く、1杯呑むことになってご縁が深まっていきました。
いまでも忘れられない思い出があります。あの頃の私たちにとって「年商1000億円」という数字は経営者として目指したい境地でありながら、遥か彼方の目標でした。
しかし稲盛さんの頭の中ではその次の次元、「1兆円」が視野に入っていたのです。
「年商1000億円に到達したい」と夢や志を語り合っていると、稲盛さんは「いや1兆円だ。1社で1兆円は程遠いけれど、京都の会社10社がそれぞれ1000億円を売り上げれば、1兆円に到達できる。我々で結束して、そのくらいやろうではないか!」、そう皆を鼓舞されたのです。
1000億円という数字に尻込みしつつも稲盛さんに刺激され、年商1000億円の事業計画を掲げたのが1980年、私が45歳の時でした。
高い目標を思い続けることは重要で、弊社もグループ連結売上高が約4000億円を達成できました。京セラさんはいまや年商1・8兆円の大企業です。
プロフィール
村田純一
むらた・じゅんいち―昭和10年京都府生まれ。33年アメリカに留学し、35年村田機械入社。45年創業者である父の急死により社長に就任。その後、京都商工会議所会頭、日本繊維機械協会会長、日本商工会議所副会頭などを歴任。平成15年より会長。令和4年取締役会長に。
特集
ピックアップ記事
-
対談
稲盛さんに学んだリーダーの条件
伊藤謙介(京セラ元社長)
小野寺 正(KDDI元社長)
-
特別講話
人は何のために生きるのか
稲盛和夫(京セラ名誉会長)
-
インタビュー
後世に伝えたい 稲盛さんの創業者魂
永守重信(日本電産会長)
-
対談
稲盛さんに教わった人生で大切なこと
岡田武史(FC今治オーナー)
栗山英樹(侍ジャパントップチーム監督)
-
我が心の稲盛和夫
ど真剣の情熱で可能性を信じ抜く
柳井 正(ファーストリテイリング会長兼社長)
-
我が心の稲盛和夫
「利他」の灯をかかげて
五木寛之(作家)
-
我が心の稲盛和夫
将来を熱く語り合った在りし日を偲んで
村田純一(村田機械会長)
-
我が心の稲盛和夫
動機善なりや 私心なかりしか
門川大作(京都市長)
-
我が心の稲盛和夫
常に明るく前向きに──
清水新一郎(日本航空副社長)
-
我が心の稲盛和夫
人として正しい道を貫け
伊藤雅章(京都サンガF.C.社長)
-
我が心の稲盛和夫
命に代えても果たしたい〝約束〞
武隈 晃(国立大学法人鹿児島大学 稲盛アカデミー長)
-
我が心の稲盛和夫
確固たる人間観、死生観を持つ
大田嘉仁(日本航空元会長補佐専務執行役員)
-
我が心の稲盛和夫
人類が共有できる稲盛哲学の力
曹 岫雲(稲盛和夫〈北京〉管理顧問有限公司董事長)
-
アーカイブ
利他の心こそ繁栄への道
稲盛和夫(京セラ名誉会長)
-
座談会
我ら、かく稲盛フィロソフィを学び、経営を発展させてきた
十河孝男(徳武産業会長)
小池由久(日本経営ホールディングス名誉会長)
濵田総一郎(良知経営社長)
京谷忠幸(ピーエムティー社長)
好評連載
ピックアップ連載
バックナンバーについて
バックナンバーは、定期購読をご契約の方のみ
1冊からお求めいただけます
過去の「致知」の記事をお求めの方は、定期購読のお申込みをお願いいたします。1年間の定期購読をお申込みの後、バックナンバーのお申込み方法をご案内させていただきます。なおバックナンバーは在庫分のみの販売となります。
定期購読のお申込み
『致知』は書店ではお求めになれません。
電話でのお申込み
03-3796-2111 (代表)
受付時間 : 9:00~17:30(平日)
お支払い方法 : 振込用紙・クレジットカード