我ら、かく稲盛フィロソフィを学び、経営を発展させてきた 十河孝男(徳武産業会長) 小池由久(日本経営ホールディングス名誉会長) 濵田総一郎(良知経営社長) 京谷忠幸(ピーエムティー社長)

京セラやKDDIを大企業に育て上げ、日本航空を再建された稲盛和夫氏。そのもう一つの顔、それが教育者としての側面である。若き中小経営者の育成のため1983年、51歳の時に盛和塾(当初は盛友塾)を立ち上げ、2019年の解散まで36年間にわたって指導を続けた。その塾生の数は国内外2万人近くに及ぶという。稲盛氏の厳しくも温かい薫陶を受けた徳武産業会長・十河孝男氏、日本経営ホールディングス名誉会長・小池由久氏、良知経営社長・濵田総一郎氏、ピーエムティー社長・京谷忠幸氏にお集まりいただき、稲盛氏の教えをいかに経営に生かしてきたか。哀悼の思いを込めて語り合っていただいた。

それでも事業を続けることができたのはフィロソフィのおかげなんです。

「おまえは善きことをやっとるんやろ。正しいことをしていたら、神様は応援してくれるんや。だから胸を張って頑張っていけ」と自分を鼓舞し続けてきました

十河孝男
徳武産業会長

利他に向かって努力しているつもりが、結果的に利己に意識を向けていることを痛感することがあるんです。

やはり利他の精神で一所懸命に生きるというところに向かって歩き続けなくてはいけない。

このことが生涯をかけてのテーマであると思っています

小池由久
日本経営ホールディングス名誉会長

宇宙が味方をする経営をしようと思ってそこに照準を定めていくと、不思議と事業がうまく回り出すことをたびたび経験してきました。

心を高める中で塾長の宇宙観、死生観に触れていかないと、本当の意味で稲盛哲学は理解できないと私は思っています

濵田総一郎
良知経営社長

9歳の時に死別した父の遺骨を戻してもらって母と一緒に納骨することができました。

塾長からは「因果応報の法則」を教えていただきましたが、損得ではなく先祖や先人を大事にする思いがよき因となって新しい道を開いてくれたのかもしれません

京谷忠幸
ピーエムティー社長

プロフィール

十河孝男

そごう・たかお―昭和22年香川県生まれ。県立志度商業高校(現志度高校)卒業後、香川相互銀行(現香川銀行)、手袋メーカーを経て59年徳武産業に入社、社長に就任。平成27年から会長。さぬき市商工会会長や観光協会会長を歴任。同社が開発した介護シューズ「あゆみ」は広く知られる。

小池由久

こいけ・よしひさ―昭和29年岐阜県生まれ。高校卒業後、47年会計事務所(現・日本経営)に入社。平成8年社長に就任。19年会長を経て、27年名誉会長に就任。調剤薬局チェーン・サエラ社長、社会福祉法人ウエル清光会理事長も兼任。

濵田総一郎

はまだ・そういちろう―昭和30年鹿児島県生まれ。武蔵大学卒業。東武鉄道勤務を経て帰郷し、家業の立て直しに尽力。平成3年独立してパスポートを創業、社長に就任。令和3年に18社を擁するホールディング体制に移行。良知経営グループの代表を務める。著書に『尊ぶは志』(致知出版社)。

京谷忠幸

きょうたに・ただゆき―昭和37年福岡県生まれ。国立久留米工業高等専門学校高校課程修了後、会社員を経て平成3年ピーエムティーを設立。令和2年シンクアイホールディングスを設立しグループ7社の代表も務める。経営の傍ら山口大学大学院に学び技術経営研究科、理工学部博士課程修了。博士(学術)。


編集後記

盛和塾生の哀惜の念も尽きることはありません。徳武産業会長の十河孝男さん、日本経営HD名誉会長の小池由久さん、良知経営社長の濵田総一郎さん、ピーエムティー社長の京谷忠幸さんに、厳しくも慈愛に満ちた塾長の教えを語っていただき、白熱の座談会は3時間超に及びました。

2022年11月1日 発行/ 12 月号

特集 追悼 稲盛和夫

特集

ピックアップ記事

バックナンバーについて

致知バックナンバー

バックナンバーは、定期購読をご契約の方のみ
1冊からお求めいただけます

過去の「致知」の記事をお求めの方は、定期購読のお申込みをお願いいたします。1年間の定期購読をお申込みの後、バックナンバーのお申込み方法をご案内させていただきます。なおバックナンバーは在庫分のみの販売となります。

定期購読のお申込み

『致知』は書店ではお求めになれません。

電話でのお申込み

03-3796-2111 (代表)

受付時間 : 9:00~17:30(平日)

お支払い方法 : 振込用紙・クレジットカード

FAXでのお申込み

03-3796-2108

お支払い方法 : 振込用紙払い

閉じる