12 月号ピックアップ記事 /アーカイブ
利他の心こそ繁栄への道 稲盛和夫(京セラ名誉会長)

稲盛和夫氏。日本を代表する経営者として、その名を知らない人はいまい。
京セラやKDDIを創業し、それぞれ1.8兆円、5.4兆円を超える大企業に育て上げ、倒産したJALの会長に就任すると、僅か2年8か月で再上場へと導いた。
功績はそれだけに留まらない。中小企業経営者の勉強会「盛和塾」の塾長を務め、国内56塾、海外48塾、塾生数は約1万5000名に及んだ。
日本発の国際賞「京都賞」を創設し、人類社会に多大な貢献をもたらす人物の顕彰を続けてきた。
稲盛氏が語り明かした「人生と経営」、そして「繁栄への道」――。
2018年5月号特集「利他に生きる」の巻頭を飾り、本誌最後のインタビューとなった記事をここに再録する。

与えられた仕事を天職と思い、その仕事を好きになるよう努力していくうちに不平不満は消え、仕事も順調に進むようになっていく
稲盛和夫
京セラ名誉会長
「働くということは、生きていく糧を得るためのものだというのが一般的ですけれども、そうではなくて、自分の人間性を高めていくためになくてはならないものです。
一所懸命働くことによって、自分自身の心を高め、自分の人生を精神的に豊かなものにしていく。同時に、収入も得られますから、物質的な生活も豊かになっていく。ですから、働くということは大変大事なことだと思っています。
人は得てして、恵まれた環境にあっても、与えられた仕事をつまらないと感じ、不平不満を口にしがちです。近年、若者の離職率が増加しているのもそういう理由なのでしょう。
しかし、それで運命が好転するはずはありません。与えられた仕事を天職と思い、その仕事を好きになるよう努力していくうちに不平不満は消え、仕事も順調に進むようになっていく。
そして、物心共に豊かな素晴らしい人生を送ることができるのです」
プロフィール
稲盛和夫
いなもり・かずお――昭和7年鹿児島県生まれ。鹿児島大学工学部卒業。34年京都セラミック(現・京セラ)を設立。社長、会長を経て、平成9年より名誉会長。昭和59年には第二電電(現・KDDI)を設立、会長に就任、平成13年より最高顧問。22年には日本航空会長に就任し、27年より名誉顧問。昭和59年に稲盛財団を設立し、「京都賞」を創設。毎年、人類社会の進歩発展に功績のあった方々を顕彰している。また、若手経営者のための経営塾「盛和塾」の塾長として、後進の育成に心血を注ぐ。著書に『人生と経営』『「成功」と「失敗」の法則』『成功の要諦』(いずれも致知出版社)など。
編集後記
本号の表紙並びにトップインタビューを飾るのは「新・経営の神様」の異名を取る稲盛和夫さん。本誌には約六年ぶりのご登場です。ご体調があまり芳しくないということから、当初取材は1時間の予定だったものの、実際には1時間15分に及ぶ白熱の取材となりました。11頁にわたる記事には独立前の修業時代からJAL再生に至るまで、稲盛さんの生き方、働き方、考え方のエッセンスが凝縮されており、感動溢れる内容となっています。

特集
ピックアップ記事
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対談
稲盛さんに学んだリーダーの条件
伊藤謙介(京セラ元社長)
小野寺 正(KDDI元社長)
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特別講話
人は何のために生きるのか
稲盛和夫(京セラ名誉会長)
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インタビュー
後世に伝えたい 稲盛さんの創業者魂
永守重信(日本電産会長)
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対談
稲盛さんに教わった人生で大切なこと
岡田武史(FC今治オーナー)
栗山英樹(侍ジャパントップチーム監督)
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我が心の稲盛和夫
ど真剣の情熱で可能性を信じ抜く
柳井 正(ファーストリテイリング会長兼社長)
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我が心の稲盛和夫
「利他」の灯をかかげて
五木寛之(作家)
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我が心の稲盛和夫
将来を熱く語り合った在りし日を偲んで
村田純一(村田機械会長)
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我が心の稲盛和夫
動機善なりや 私心なかりしか
門川大作(京都市長)
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我が心の稲盛和夫
常に明るく前向きに──
清水新一郎(日本航空副社長)
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我が心の稲盛和夫
人として正しい道を貫け
伊藤雅章(京都サンガF.C.社長)
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我が心の稲盛和夫
命に代えても果たしたい〝約束〞
武隈 晃(国立大学法人鹿児島大学 稲盛アカデミー長)
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我が心の稲盛和夫
確固たる人間観、死生観を持つ
大田嘉仁(日本航空元会長補佐専務執行役員)
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我が心の稲盛和夫
人類が共有できる稲盛哲学の力
曹 岫雲(稲盛和夫〈北京〉管理顧問有限公司董事長)
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アーカイブ
利他の心こそ繁栄への道
稲盛和夫(京セラ名誉会長)
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座談会
我ら、かく稲盛フィロソフィを学び、経営を発展させてきた
十河孝男(徳武産業会長)
小池由久(日本経営ホールディングス名誉会長)
濵田総一郎(良知経営社長)
京谷忠幸(ピーエムティー社長)
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