その他の東洋古典の名言 後漢書

歴史書で二十四史の一つ。一二〇巻。後漢の歴史を記した書。うち本紀十巻、列伝八十巻は南朝宋の范曄の作。志三十巻は晋の司馬彪の作。これ以前にも七、八種類の『後漢書』があったと言われるが、それらはいずれも失われ、范曄のものだけが残って正史とされる。


得難くして失い易き者は時なり

(留めておくのが困難で、かつ容易に失ってしまうものは時間である)

志有る者は事(こと)竟(つい)に成る

(志を持って生きる人物は、たとえ困難逆境に見舞われようと最後には必ずその志を実現するものだ)

男児当(まさ)に死中に生を求むべし

(男たるもの、死の危機に直面しても最後まであきらめずに活路を開いて生き延びようとすべきである)

忠臣を求むるは必ず孝子(こうし)の門に於(おい)てす

(忠義の臣を得たいと思うならば、必ず親孝行な子供のいる家に求めるべきである)

貧賤(ひんせん)の知は忘るべからず、糟糠(そうこう)の妻は堂より下さず

(貧しいときの友人は出世をしても忘れてはならない。生活の苦労をともにした妻は偉くなっても家から追い出してはならない。『十八史略』にも記載)

天知る、地知る、我知る、子知る。何ぞ知る無しと謂うや

(「天が知っている、地が知っている、そなたが知っている、私が知っている。どうして知っている者がいないなどと言えようか」――後漢の楊震がある郡の長官として赴任した際に、その配下が訪ねて賄賂を差し出してきたことがあった。楊震が受け取りを拒むと「このような夜更け、他に知る者はいませんから」と言ったため、楊震が返したのがこの言葉である。『十八史略』にも記載)

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