その他の東洋古典の名言 呻吟語

明末の儒者・呂新吾が三十年の長きに渡り、良心の呻きから得た修己治人の箴言を書き留め、まとめた啓発の書。六巻本で、内篇外篇に分かれ、全十七章より成る。読みは「しんぎんご」


深沈(しんちん)厚重(こうじゅう)なるは、これ第一等の資質。磊落(らいらく)豪雄(ごうゆう)なるは、これ第二等の資質。聡明(そうめい)才弁(さいべん)なるは、これ第三等の資質

(どっしりと落ち着いて深みのある人物、これが第一等の資質である。積極的で細事にこだわらない人物、これは第二等の資質である。頭が切れて弁の立つ人物、これは第三等の資質に過ぎない)

忍激(にんげき)の二字は、これ禍福の関(かん)なり

(じっとこらえて辛抱するか、一時の感情にかられて激発するか、どちらをとるかが幸と不幸の分かれ目となる)

身を修むるには、短を護らざるを以って第一の長進(ちょうしん)となす。人能(よ)く短を護らざれば、則(すなわ)ち長進すること日に至る

(自分を磨くためには、短所を隠さないこと、これが第一の近道である。短所を隠さなければ、目に見えて効果があがってくる)

君子の人を用うる、その効(こう)の同じきを必せず、各(おのおの)長ずる所を尽くさしむるのみ

(君子が人を使う場合、必ずしも同じような実績を期待しない。相手がそれぞれの長所を発揮できるようにしむけるのである)

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