その他の東洋古典の名言 史記

支那で最初の紀伝体の通史。前漢の司馬遷著。紀元前九十一年頃完成。上古の黄帝から前漢の武帝までの二千数百年にわたる歴史を記す。本紀十二・表十・書八・世家三十・列伝七十の全一三〇巻。紀伝体の祖で注釈書が多数ある。


燕雀(えんじゃく)安(いずく)んぞ鴻鵠(こうこく)の志を知らんや

(「燕雀のような小物に鴻鵠のような大人物の考えていることはわからない」――秦末に反乱の口火を切った陳渉がまだ雇われ農夫をしていた若い頃、仲間に向かってうそぶいた言葉)

奇貨(きか)、居(お)くべし

(「堀り出し物だ、買っておこう」――商人の呂不韋が趙に人質となっていた秦の王子を見て言った言葉。後に呂不韋はこの奇貨を高く売り、自らは秦の宰相となった)

断じて敢行(かんこう)すれば、鬼神(きしん)もこれを避け、後(のち)功(こう)を成すあり

(断固として実行すれば、鬼神も道を避け、功績も得られるであろう)

桃李(とうり)言(ものい)わずして、下自(おのずか)ら蹊(みち)を成す

(桃やすももは何も言わないけれども、花や実に魅かれて人が集まり、その下に自ずから道ができる)

正学に務めて以って言い、学を曲げて以って世に阿(おもね)るなかれ

(「学問の正道を守って発言されよ。学問の筋を曲げて、世間に迎合してはならない」――硬骨の儒者・轅固生が同僚の公孫弘を戒めた言葉。 ※成語である「曲学阿世」の出典)

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