その他の東洋古典の名言 老子

道家書、二巻、八十一章、約五千字から成る。戦国時代における道家思想家の言説を漢初に集成したもの。道を宇宙の本体とし、道に則った無為自然、謙遜柔弱の処世哲学を説く。

上善(じょうぜん)は水の如し。水は善く万物を利して争わず、衆人の悪む所に居る。故に道に幾(ちか)し

(もっとも理想的な生き方は、水のようなものである。水は万物に恩恵を与えながら相手に逆らわず、人のいやがる低いところへと流れていく。だから、道のありように近いのである)

人に勝つ者は力あり。自らに勝つ者は強し

(他人と争ってこれを打ち負かす者は力があると言えるが、本当の強者ではない。私欲私情を克服できる者、すなわち私心に打ち勝つことができる者こそ、真の強者である)

上士は道を聞いては勤めて能(よ)くこれを行う。中士は道を聞いては存(そん)するが若(ごと)く亡するが若し。下士は道を聞いては大いにこれを笑う

(すぐれた人物は道を教えられれば即座に実行する。中程度の人間は道を教えられても半信半疑である。つまらぬ人間は道を教えられると腹を抱えて笑い出す)

天網(てんもう)恢恢(かいかい)疎(そ)にして失わず

(天の網はこのうえなく大きく、網目こそ粗いがなに一つ取り逃すことがない)

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