その他の東洋古典の名言 格言聯璧

清末の儒者・金纓蘭の編。東洋の格言・箴言・警句が数多く収録された百科全書的存在。「学問」「存養」「持躬」「附摂生」「敦品」「処事」「接物」「斉家」「従政」「恵吉」「悖凶」の十一分類で構成される。読みは「かくげんれんぺき」


聖賢の道を以て人に教うるは易く、聖賢の道を以て己を治むるは難し

(聖賢の道を人に説き教えることは容易だが、聖賢の道によって己を治めることは難しい)

古の君子は、其の無能を病(うれ)うるや之を学ぶ。今の君子は、其の無能を恥づるや之を諱(い)む

(昔の君子は、自分の無能を憂いて学ぼうとし、今の君子は、自身の無能を恥じて忌み隠す)

未だ見ざる書を読むは、良友を得るが如し。已(すで)に読む書を見れば、故人に逢うが如し

(まだ見ていない本を読むのは、ちょうど初めて良き友を得たようなものであり、既に読んだ本を再び見るのは、ちょうど昔なじみの人に逢うような懐かしさがある)

案上には、書を多くすべからず。心中には、書を少なくすべからず

(机の上には多く書物を積み上げてはならない。心の中には書物を少なくしてはならない)

魚水を離るれば則(すなわ)ち鱗(うろこ)枯る。心書を離るれば則ち神索(つ)く

(魚は水を離れるとその鱗はたちまち乾き枯れてしまう。人の心は書物を離れると、その精神はたちどころに尽き果ててしまう)

怒は是れ猛虎。慾は是れ深淵

(怒りは例えれば猛虎のようなものであり、欲は例えれば深淵のようなものである)

自責の外に人に勝つの術無く、自強の外に人に上たるの術無し

(すべてを自分の責任と考える以外には人に勝つ方途はないし、自身でつとめ励む以外には、人の上に立つ人物となる方法はない)

情を以て人を恕し、理を以て己を律す

(人情を以て人を思いやり、道理を以て自らを正す)

自ら處(しょ)して超然。人に處して藹然(あいぜん)。事無きに澄然(ちょうぜん)。事有るに斬然(ざんぜん)。意を得るに淡然(たんぜん)。意を失うに泰然(たいぜん)

(自身に対応するには、一向ものにとらわれないようにする。人に対応するには、和やかにのびのび感じさせるようにする。事無きときには、水のように澄んでおり、一旦事ある時には、活気に充ちていたいものである。得意な時にはあっさりして、失意の時にもゆったりしていたいものである)

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