8 月号ピックアップ記事 /対談
いま日本の進むべき道 櫻井よしこ(国家基本問題研究所理事長) 山上信吾(外交評論家)

早くも折り返し地点に差し掛かった2026年。世界では年初から各地で戦火が立ち上り、緊張の度は高まる一方である。我が国はこの危機の時代をいかに歩んでいくべきであろうか。片やジャーナリストとして、片や外交官として、世界の現実をつぶさに見てきた櫻井よしこ氏と山上信吾氏が読み解く、日本の進むべき道とは──。

特に若い方々にはぜひとも日本の歴史を勉強してほしい。歴史の中に教訓は鏤められているわけで、そこに必ず解はある
山上信吾
外交評論家
〈山上〉
私の父はもともと軍人の卵で、陸軍幼年学校・士官学校まで行き、戦後は高校教師をしていましたが、その父がずっと愛読していたのが『致知』でしてね。
〈櫻井〉
さすが山上さんのお父様ですね。
〈山上〉
きょうはその『致知』で櫻井先生との対談の機会をいただいて大変嬉しく光栄に思います。
〈櫻井〉
私もとても楽しみにしていました。山上さんはオーストラリア大使としてご活躍なさった後、外務省を退官なさいましたが、いまも精力的に活動されていますね。
〈山上〉
時代が音を立てて変わりつつあることを痛感していましてね。まさにきょうのテーマである「時務を識る者は俊傑に在り」を意識して、日本もこの状況にいかに対応すべきかを真剣に考えなければならない時に来ているのに、国からもマスコミからも適切な問題提起が為されているとは思えません。私はこのことに強い危機感を抱いて評論活動を始めたんです。

利他のDNAを踏まえて物事を判断すれば、日本人として何をすべきかが自ずと見えてくるはず
櫻井よしこ
国家基本問題研究所理事長
〈櫻井〉
私も気懸かりなことがたくさんあります。こういう時に国の基盤が揺らぐようなことがあってはならないのに、例えばこの度の皇室典範改正案について、我が国が二千年以上守り続けてきた男系継承の伝統を否定する主張を繰り返している新聞があります。
皇室典範の改正は日本の基に関わることなので、よほどしっかり歴史を学び、我が国の国柄を十分理解した上で論ずる責任があると思うんです。けれどもこういう主張を見ると、メディアとして的確な状況把握ができているとは思えません。もっと言えば、国民を一定の方向へ向かわせるための政治宣伝のようですね。
〈山上〉
「反戦平和護憲」に囚われてきた戦後の日本を象徴していると思いますよ。
〈櫻井〉
そして大手新聞はしばしば日本の戦争責任を問うでしょう。けれども戦前は、戦争を煽ることで部数を増やしてきたんですよ。そういうことを顧みないままに今日まで来ていると私は思います。
〈山上〉
SNSが台頭してきたいまは、〝オールドメディア〟と揶揄されていますが、私はそこには……(続きは本誌をご覧ください)
本記事の内容 ~全10ページ(約13,000字)~
◇時代は音を立てて変わりつつある
◇過去の総括ができない日本
◇日本ほど厳しい環境に置かれた国はない
◇ホルムズ海峡事態の収束に積極的に取り組め
◇朝鮮半島はダモクレスの剣
◇力で恫喝してくる国にいかに向き合うか
◇高市総理に期待するもの
◇情報力強化の好機を逃すな
◇歴史に学べば打つべき手が見えてくる
◇大国に毅然と対峙した先人たち
◇一隅を照らし自分なりの違いを出す
◇庶民こそが日本の大黒柱
プロフィール
櫻井よしこ
さくらい・よしこ――ベトナム生まれ。ハワイ州立大学歴史学部卒業後、「クリスチャン・サイエンス・モニター」紙東京支局勤務。日本テレビニュースキャスターなどを経て、現在はフリージャーナリスト。平成19年に国家基本問題研究所を設立し、理事長に就任。23年正論大賞受賞。24年インターネット配信の「言論テレビ」創設、若い世代への情報発信に取り組む。著書多数。新刊に『親中派80年の嘘』(産経新聞出版)。
山上信吾
やまがみ・しんご――昭和36年東京都生まれ。東京大学法学部卒業後、59年外務省入省。40年間の外交官生活の中で、ワシントン、香港、ジュネーブ、ロンドン、キャンベラで在外勤務。北米第二課長、条約課長、警察庁出向を経て、日本国際問題研究所所長代行等を歴任。平成29年国際情報統括官、30年経済局長。令和2年駐豪日本大使。5年末に退官し、外交評論家として活動。著書に『日本外交の劣化』(文藝春秋)『高市外交の正念場』(徳間書店)など。
編集後記
大国の思惑で激しく揺れ動く世界の中で、我が国は難しい舵取りを強いられています。国家基本問題研究所理事長の櫻井よしこさんと外交評論家の山上信吾さんに、日本のマスコミの問題点からイラン情勢、さらには高市政権への期待も交えながら、世情の急所を突いていただきました。この難局打開の鍵を握るのは、日本の真の大黒柱である庶民と日本民族の美質を備えた若者。お二人が共通して導き出された結論に光明を見る思いがしました。

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