8 月号ピックアップ記事 /インタビュー
会社愛こそ成長の原動力 神山恭子(船橋屋社長)

東京の下町、亀戸天神社のお膝元で221年の歴史を刻んできたくず餅の老舗・船橋屋。九代目社長の神山恭子氏は、同社が様々な困難を乗り越え積み重ねてきた年月は、とても一言では語れないという。その神山氏自身も、会社が陥った思いがけない窮地に経営のバトンを引き継いだ。異例の抜擢を受けた神山氏は、そこからいかに改革に取り組み、発展を遂げてきたのか。そして、入社時より貫いてきた信念とは──。

愛社精神ナンバーワンの座だけは誰にも譲るまいと考えて仕事に打ち込んできました
神山恭子
船橋屋社長
――くず餅で有名な御社は、今年創業221年を迎えるそうですね。
〈神山〉
1805(文化2)年に創業し、「くず餅ひと筋真っ直ぐに」という理念のもと、お客様に喜んでいただけるおいしいくず餅づくりを積み重ねてきました。
私は歴史オタクで、船橋屋の歴史についても随分研究してきましたが、乗り越えてきた困難は数え切れないほどあって、これまでの年月はとても一言で語れるものではありません。
中でも一番大変だったのは、東京大空襲の時だろうと思います。会社のすぐ傍の亀戸天神社の裏にも爆弾が落ちて、この一帯は焼け野原になったので、そこから復興させるのは並大抵のことではなかったと思うのです。さらに遡れば、明治維新という日本が大きく変わった時代も乗り越えています。どんなことがあってもその時代に合わせて復興してきた歴史の重みを心に刻みながら、経営に日々取り組んでいます。
――御社のくず餅は、そうした尊い歴史の結晶ともいえますね。
〈神山〉
当社の「元祖くず餅」は、グルテン除去、450日乳酸菌発酵など、細部にまでこだわり抜いてつくっている身体に優しい発酵食品で、他所にない独自性の強い商品だと思っています。
それから……(続きは本誌をご覧ください)
本記事の内容 ~全5ページ(約7,000字)~
◇会社の歴史は育てなければ残らない
◇船橋屋のことを誰よりも好きな社員になる
◇暖簾の重みを教えてくれた歴代当主たち
◇社員総選挙で執行役員に
◇これからの行動で信頼回復を図る
◇現状維持は衰退の一歩
プロフィール
神山恭子
かみやま・きょうこ――昭和56年埼玉県生まれ。平成16年十文字学園女子大学社会情報学部卒業。船橋屋入社。新宿店舗和菓子売り場、「こよみ」広尾店立ち上げ、通販事業部立ち上げ、組織活性化プロジェクトなどを経て、27年に社員総選挙で執行役員に選出。28年よりくず餅乳酸菌研究所にて研究担当を兼務。令和元年くず餅乳酸菌LABOを設立し取締役に就任。4年船橋屋社長に就任。
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