感謝の心で 生きる 小澤美登利(洋装店オザワ オーナー)

横浜市元町の地でオーダーメイド専門の洋装店オザワを創業し、今日まで68年にわたり誠実な仕事を積み重ねてきた小澤美登利さん、94歳。素晴らしいお客様との出逢い、家族やスタッフの支えによってここまで歩んで来ることができたと語る小澤さんに、生涯現役を貫き、心穏やかに感謝して生きる秘訣を学ぶ。

目の前の一人ひとりのお客様、一着一着に真心を込めて、無理をせず地道に信頼を積み重ねていくことが、人生においても仕事においても大事なのではないでしょうか

小澤美登利
洋装店オザワ オーナー

──小澤さんは94歳のいまもなお、洋装店オザワの経営や接客、洋服のデザインなど忙しい日々を送っておられるそうですね。

<小澤> 
このお店を亡き夫と共にオープンしたのは、1958年3月3日のことですから、かれこれ68年になります。こうして日々元気でいられるのは大変幸せなことだと思いますけれども、やはり90代になりますと、いろいろ衰えを感じるようになりました。

それでも皆の力を借りて、できる限り長く、このお店で仕事を続けていきたいと思っています。

──生涯現役で仕事に向き合い続けると。オザワでは何人くらいのスタッフが働いているのですか。

<小澤> 
いまは既製品も扱っておりますが、もともとオーダーメイド専門の洋装店として始まったものですから、一階のお店で私がお客様のご要望をお聞きし、二階の仕事場で職人の夫が洋服をつくるというような形でずっとやってまいりました。一番多い時で10人くらいの職人がおりましたが、いまは昔から勤めてくれている70代と60代の職人2人がおり、経営は私の長男が、接客のほうは長男の嫁が手伝ってくれています。

──店内には個性的な洋服がたくさん展示されていますが、小澤さんがデザインされたのですか。

<小澤> 
デザインというほど大したものではありませんけれども、どのような素材で、どのような形がよいのか、お客様の要望をお聞きする上では、やはり下手なりにデザインを描かないと通じないんですね。そうするうち、「この生地でこういう形のレインコートをつくったら面白いかな」とか、私流にデザインするようになったんです。特に私はケープのデザインが大好きで、本当にたくさんのお客様に購入していただいてきました。

とにかくお客様のお手伝いがしたい、一人ひとりのご要望にお応えしたいという思いで、常に考えながら接客、デザインをしてきたつもりです。そして、よいスタッフ、何よりよいお客様に恵まれたことが、ここまで歩んで来られた大きな要素だと思っています。……(続きは本誌にて)

~本記事の内容~
◇おかげ様、感謝で生きる
◇運命を変えた伴侶との出逢い
◇信頼こそが人生をひらく
◇前向きに機嫌よく生きる

一着一着に真心を込めて向き合ってきた小澤さんの94年の生涯に、周囲とぶつからずに心穏やかに生きるヒントを伺いました。ぜひご覧ください。

プロフィール

小澤美登利

おざわ・みどり――昭和6年神奈川県生まれ。洋裁の専門学校を卒業後、33年夫・小澤健次郎氏と共に洋装店オザワを創業。


編集後記

横浜元町にある洋装店オザワを訪ねると、94歳の小澤さんが温かな笑顔で向かい入れてくださいました。いまは亡き洋裁職人の旦那さんとは、当時としては珍しい駆け落ちによって結ばれ、二人三脚でオザワを運営してこられたそうです。94年の歩みを振り返り、出逢いに感謝される小澤さんの言葉に、人生で最も大事なものは何かを教えられます。

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