日日是好日 腹巻 知(ノーリツ社長)

各界を代表する企業、機関、団体を牽引してきたリーダーに、人生観・仕事観を形成した体験や、貫いてきた信条を披歴いただく連載「私の座右銘」。今回ご登場いただいたのは、給湯器業界でシェア首位を争うノーリツ(本社:兵庫県)の腹巻知社長です。
一時業績低下に喘いでいた同社の経営合理化を推進してきた腹巻社長は、まさに製造の現場、開発畑の出身です。メーカーにとって危機的なコロナ禍、部品供給不足などに見舞われながら、いかに組織を導いてきたのか。その背景には、上司に引き抜かれて渡り歩いた部品管理の現場や出向先の子会社での体験がありました。

〈日日是好日〉
道のりは決して平坦ではありませんでしたが、この言葉と出逢ったおかげできょうまで歩んで来られたことを実感しています

腹巻 知
ノーリツ社長

高校時代に聴いていたラジオ講座のテキストの表紙に、「日日是決戦」という言葉が記されていました。大学受験に臨む私を励まし続けてくれたこの懐かしい言葉が、「日日是好日」という禅語に由来することを知ったのは、社会に出てからでした。

様々な解釈が可能な言葉ですが、概ね次の三つの教訓を示唆しているようです。

一つは、その日にどんなことが起きてもよい日と受け止めよう。

二つ目は、きょうは二度とないかけがえのない一日と自覚して全身全霊で生きよう。

そして三つ目が、善し悪しの判断を超えてどんな日もそのまま受け入れよう、というものです。

当社に入社して今年でちょうど40年。その道のりは決して平坦ではありませんでしたが、この言葉と出逢ったおかげできょうまで歩んで来られたことを実感しています。

プロフィール

腹巻 知

はらまき・さとし――昭和34年福井県生まれ。58年東京理科大学理工学部卒業、ノーリツに入社。技術開発畑を中心に歩み、平成21年子会社の信和工業社長に就任。27年ノーリツ取締役。令和2年同社社長に就任。


編集後記

給湯器のみならず、台所周りにも積極的に新製品の開発に打って出ているノーリツ。腹巻社長は社内において「わかす会議」の実施なども行い、活性化に力を入れておられます。その人柄はひと言で表せば明朗。経営合理化の多難な時期を乗り切ってきた人ならではの迫力を感じると共に、それを支えた座右の銘が深く響いてきました。

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