歩々是道場 佐々木則夫(日本サッカー協会女子委員長 )

2011年、サッカー女子W杯でなでしこジャパンを世界一の栄光に導いた名将・佐々木則夫氏。2023年8月に開催された女子W杯では、日本サッカー協会女子委員長としてチームづくりに注力し、ベスト8入りに大きく貢献した。日本サッカー殿堂入りを果たした氏の指導哲学はいかにして育まれたのか。若き日々を振り返っていただき、指導者としての原点に迫る。

あらゆる出来事が指導者としての在り方・生き方に繋がっています。無駄な経験は何一つありません。

「歩歩是道場」の気概で貪欲に吸収していく習慣が、自ずと進むべき道を指し示してくれるのです

佐々木則夫
日本サッカー協会女子委員長

サッカーの「サ」の字も知らなかった私がサッカーに魅せられたのは、小学3年生の頃でした。

土木建築業を営んでいた両親は首都圏を飛び回っていたこともあり、長年故郷の山形で祖母と二人暮らしをしていましたが、祖母の他界を機に、両親の元へと引っ越すことになりました。

当時の私は野球少年でしたが、転校先の埼玉県・蕨東小学校で流行っていたのは、ボールを蹴り合う見たことのないスポーツでした。「一体何をやっているのだろう」。そんな疑問を抱いていた1968年、メキシコオリンピックでサッカー男子日本代表が銅メダルを獲得し、日本中を熱狂の渦に巻き込みました。この時、初めてサッカーの存在を知ったのです。

実際にプレーしてみると、ボール捌(さば)きは覚束(おぼつか)ないながらも、足の速さと持久力を武器に、周りから一目置かれる存在になりました。「こんなに楽しいスポーツがあったのか!」。気づけば、サッカーの虜(とりこ)になっていったのです。

ところが、サッカーにのめり込んでいた小学6年生の頃、……

▼「チャンスは自ら掴み取る」「指導者としての原点」「目の前の運命を受け入れる」等、サッカーのみならず、社会人として仕事にも全力を注がれた佐々木さんの足跡には、指導者・リーダーの要諦、勝利を手繰り寄せる秘訣が詰まっています。
 全文は本誌をご覧ください!

プロフィール

佐々木則夫

ささき・のりお―—昭和33年山形県生まれ。帝京高校3年次にインターハイ優勝。明治大学卒業後、日本電信電話公社に入社。NTT関東サッカー部(現・大宮アルディージャ)でプレー。平成19年サッカー日本女子代表監督就任。23年ドイツ女子W杯でチームを世界一に導き、FIFA年間最優秀監督賞(女子部門)受賞。28年代表監督を辞任。令和元年日本サッカー殿堂入り。3年より現職。著書に『なでしこ力』『なでしこ力 次へ』(共に講談社)など。


編集後記

2012年3月号でのご登場以降、長年にわたって弊誌を愛読くださっている佐々木さん。日本サッカー協会女子委員長のみならず、十文字学園女子大学副学長をはじめとした重責を兼任され、多忙を極める中でも快くお受けいただき、取材が実現しました。2011年に世界一を掴み取った佐々木さんの紆余曲折を経た20代から、指導者・リーダーとしての要諦が見えてきます。

バックナンバーについて

致知バックナンバー

バックナンバーは、定期購読をご契約の方のみ
1冊からお求めいただけます

過去の「致知」の記事をお求めの方は、定期購読のお申込みをお願いいたします。1年間の定期購読をお申込みの後、バックナンバーのお申込み方法をご案内させていただきます。なおバックナンバーは在庫分のみの販売となります。

定期購読のお申込み

『致知』は書店ではお求めになれません。

電話でのお申込み

03-3796-2111 (代表)

受付時間 : 9:00~17:30(平日)

お支払い方法 : 振込用紙・クレジットカード

FAXでのお申込み

03-3796-2108

お支払い方法 : 振込用紙払い

閉じる