5 月号ピックアップ記事 /二十代をどう生きるか
平等に与えられた時間をどう使うかが人生を決める 笠原将弘(日本料理「賛否両論」店主)

コロナ禍の現在も連日予約が絶えない日本料理の名店「賛否両論」。オープンから20年余り、店主の笠原将弘氏はいまも厨房に立ちながら、プロデュースや講演、書籍の出版にも精力的に取り組み、料理に懸ける情熱が止むことはない。氏の底知れぬ情熱はいかにして育まれたのか。若き日々を振り返っていただき、そのエネルギーの原点に迫る。

平等に与えられた時間をいかに使うか。その意識の有無が人生を決定づけると思います
笠原将弘
日本料理「賛否両論」店主
僕の20代は、人間としても、料理人としてもすべての基礎を養った10年間でした。礼儀作法から料理の基礎的な技術まで、あらゆる事柄を身につけたからこそ、五十代となったいまも変わらず、いや、当時以上の熱量を持って仕事に精を出すことができていると自負しています。
東京・武蔵小山で生まれ育った僕は、幼い頃から両親が営む10坪の焼き鳥屋「とり将」で多くの時間を過ごしました。小学校高学年になると繁忙期にはお店を手伝い、料理人としての親父の後ろ姿を間近に見る中で、跡を継いだ自分の姿を朧げながら描いていたのです。
ただ、「大学ぐらい出なさい」と母には言われていた手前、進学も考えていましたが、母は僕が高校1年の時にがんで亡くなりました。
そして進路を決める時期に、パティシエのワールドカップに密着したドキュメンタリー番組を偶然視聴。日の丸の刺繍があしらわれたコックコートを着用し、世界と同等に戦う姿が格好よく見え、自分も手に職をつけ、世界を相手に戦えるような料理人になろうと覚悟が決まりました。
▼「突然訪れるチャンスを掴む」「知っているとできるは違う」「楽しいところに人は集まる」等、家族との辛い別れを乗り越えて、料理の道に邁進してきた笠原さんのお話には人生・仕事の要諦が詰まっています。全文は本誌をご覧ください!
プロフィール
笠原将弘
かさはら・まさひろ――昭和47年東京都生まれ。高校卒業後、「正月屋𠮷兆」で9年間修業し、平成12年実家の焼き鳥屋「とり将」を継ぐ。16年恵比寿に「賛否両論」を開店し、毎月1日で翌月の予約が埋まる人気店に成長させた。25年名古屋に「賛否両論名古屋」を開店。和食給食応援団東日本代表として、子供たちへの食育授業、和食推進活動にも力を注いでいる。著書に『賛否両論 笠原将弘 保存食大事典』(KADOKAWA)『だから僕は、料理をつくる。』(主婦の友社)など多数。
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