5 月号ピックアップ記事 /致知随想
自分の好きな 自分でいる 榊 萌美(五穀祭菓をかの六代目女将)
毎号分野を問わず、一道を切り拓いてこられた5名の方々にご登場いただく連載「致知随想」。創刊当初より読者の皆様から高い人気を得ている人気連載です。
今月は埼玉県桶川市に暖簾を掲げ、今年創業136年を迎える老舗和菓子屋「五穀祭菓をかの」の六代目女将・榊 萌美さんがご登場。23歳という若さで老舗経営を引き継ぎ、それまで10年続いた赤字を3年連続黒字化に導いた歩み、その中で掴んだ自分なりの人生を生きるヒントを伺いました。
自分の好きな自分でいる──その一点がブレなければ、自ずと道は開けていくというのが私の実感です
榊 萌美
五穀祭菓をかの6代目女将
中山道の宿場町として栄え、いまもその面影が残る埼玉県桶川市。この地に暖簾を掲げ、今年(2023年)創業136年を迎えるのが、五穀祭菓をかのです。
老舗和菓子屋・岡埜栄泉で修業を積んだ初代が暖簾分けする形で1887年に開業。1974年、4代目の時に独立を果たし、豆大福等の看板商品に加え、流行に合わせた菓子が地元の人々に愛され続け、現在に至ります。
5代目である父の次女として生まれた私は、幼い頃から店を構える商店街の方々に可愛がっていただきながら育ち、大好きな街のために家業を継ぐのは当たり前と考えていました。しかし部活動や遊びに明け暮れるにつれ、その気持ちは薄れていきました。
大学では人のためになる仕事をしたいとの想いから教育学部に進学。ところが勉強についていけず、教育実習先で生徒の悪口を言う先生に幻滅し、いつしか不登校に……。スタートラインは一緒だった同級生がいまを楽しく生きているのに、私はなぜ立ち止まっているのだろう。次第に自己嫌悪に陥っていきました。
そんなある日、道すがら遭遇した同級生の母親から「お店継いだの? 卒業式の時に言ってたじゃない」と声を掛けられたのです。
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※誌面には写真の掲載はございません。
プロフィール
榊 萌美
さかき・もえみ――平成7年、埼玉県生まれ。東京聖徳大学深谷高校、明星大学教育学部教科専門国語コース中退後、アパレル会社勤務を経て28年、20歳の時に実家の和菓子店「五穀祭菓 をかの」入社。1年目からヒット商品「葛きゃんでぃ」を開発。31年、副社長・六代目女将に就任。令和3年12月には個人ブランド「萌え木」を設立。講演会やポップアップストアなども精力的に実施している。
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