東京大空襲の記憶を後世に ~過去を知ることが 平和な未来をつくる~ エイドリアン・フランシス(映画監督)

1945年3月10日未明、アメリカ軍の爆撃機による無差別絨毯爆撃によって、一晩で10万人以上もの一般市民が亡くなった東京大空襲。しかし、その悲惨な事実を詳しく知っている人はどれほどいるでしょうか。ドキュメンタリー映画「ペーパーシティー東京大空襲の記憶ー」を制作したオーストラリア人の映画監督、エイドリアン・フランシスさんに、当時を知る体験者の生々しい証言を交え、過去を知り、平和な未来をつくっていく大切さをお話しいただきました。

これからも、『ペーパーシティ』というドキュメンタリー映画が、東京大空襲の記憶、戦争の悲惨さをいまを生きる人々の記憶に刻み込み、後世に伝える役割を果たしていければと願っています

エイドリアン・フランシス
映画監督

東京大空襲の記憶が忘れ去られたのはなぜなのか。その真実を知りたいとの思いで2014年、私はドキュメンタリー映画『ペーパーシティ―東京大空襲の記憶―』(以下『ペーパーシティ』)の制作に取り掛かったのでした。

制作は東京大空襲の体験者に取材することから始まりました。東京大空襲の遺族会の事務所を訪ねたり、空襲に関連する集会に参加したりしながら、15人ほどの体験者に話を伺っていきました。

当初は、空襲時の体験談を中心としたドキュメンタリーにする計画でした。しかし、取材を進めていくにつれて、体験者や遺族の方々が、戦後から現在に至るまで東京大空襲で受けた被害の補償や慰霊碑・追悼施設等の設立を政府や都に働きかけていることを知り、その運動についても取り上げなければ真実は伝わらないと考えるようになりました。ですから、『ペーパーシティ』では、体験談と共に、補償を求める運動についてもありのままに紹介しています。


プロフィール

エイドリアン・フランシス

Adrian Francis――1974年オーストラリア生まれ。メルボルン大学でドキュメンタリー映画を専攻し、2008年から東京を拠点に活動。短編ドキュメンタリー『Lessons from the Night』がサンダンス映画祭でプレミア上映。2010年ベルリン映画祭のタレントキャンパスに招待された。初長編映画『ペーパーシティ』は、メルボルン・ドキュメンタリー映画祭で2つの賞を受賞、東京ドキュメンタリー映画祭で観客賞を受賞。4月以降、上田映劇(長野県)、名古屋シネマテーク(愛知県)、神奈川県、京都府、広島県等で上映予定。


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