3 月号ピックアップ記事 /対談
人格を陶冶してくれる安岡教学の世界 荒井 桂(郷学研修所・安岡正篤記念館 前副理事長兼所長) 三木英一(全国木鶏クラブ代表世話人会会長)
郷学研修所前所長の荒井桂氏と、全国木鶏クラブ代表世話人会会長の三木英一氏は共に昭和10年生まれ。東京教育大学の同窓で、長年、安岡教学を学び続けたという共通点もある。不思議な道縁を感じるというお二人に、安岡教学との出合いや魅力などを語り合っていただいた。
安岡教学とは何かと聞かれれば、私は「東洋教学を中心とする和漢洋の古典と歴史に立脚して説かれた実践的な人間学、活きた人物学である」と端的に答えています
荒井 桂
郷学研修所・安岡正篤記念館 前副理事長兼所長
安岡教学とは何かと聞かれれば、私は「東洋教学を中心とする和漢洋の古典と歴史に立脚して説かれた実践的な人間学、活きた人物学である」と端的に答えています。古典や歴史に立脚しているために、一つひとつの教えはとても説得力がある。しかも、それは社会や時代の激変を超越して普遍性、不易性を持っていて、その不易の価値を後世に残すことの意義は非常に大きいと感じているのです。
安岡教学を学ぶ意義は、それぞれの人生体験を通して教えを自得できることにあるように思います
三木英一
全国木鶏クラブ代表世話人会会長
安岡教学を学ぶ意義は、それぞれの人生体験を通して教えを自得できることにあるように思います。
「『論語』は不思議な書物」と安岡先生はおっしゃっていますが、実際、私自身の体験と照らし合わせてみても『論語』はいくつになっても、いつ読んでも新たな感動を覚える章句がありますからね。安岡教学についても全く同じことが言えるのではないでしょうか。
プロフィール
荒井 桂
あらい・かつら──昭和10年埼玉県生まれ。東京教育大学文学部卒業(東洋史学専攻)。以来40年間、埼玉県で高校教育、教育行政に従事。平成5年から10年まで埼玉県教育長。在任中、国の教育課程審議会委員並びに経済審議会特別委員等を歴任。16年から令和2年まで郷学研修所所長。安岡教学を次世代に伝える活動に従事。著書に『「格言聯璧」を読む』『「資治通鑑」の名言に学ぶ』『山鹿素行「中朝事実」を読む』『「小學」を読む』『安岡教学の淵源』(いずれも致知出版社)など。
三木英一
みき・えいいち──昭和10年大阪府生まれ。東京教育大学文学部卒業(英語学・英米文学専攻)。以来40年間兵庫県で高校教育、教育行政に従事。退職後、次世代の人材育成活動に従事。現在全国木鶏クラブ代表世話人会会長を務めるほか、英斎塾という人間学の勉強会を主宰。平成6年教育者文部大臣表彰、7年兵庫県教育功労賞、17年春の叙勲にて瑞宝小綬章受章。現在、日本会議兵庫会長、美しい日本の憲法をつくる兵庫県民の会共同代表。兵庫縣姫路護國神社総代会長。姫路市遺族会長、英霊にこたえる会兵庫県本部会長等の役職を務めている。
編集後記
碩学・安岡正篤先生の著作は、没後30年以上が経過したいまなお人々の人生の道標となっています。長年、安岡教学に学び、その教えを縁ある人たちに伝えてきた郷学研修所前所長の荒井桂さんと全国木鶏クラブ代表世話人会会長の三木英一さんは、不思議な道縁によって出会われました。お二人の話からは、一途に道を求めんとする限りなき向上心が伝わってきます。
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