四書五経に学ぶ人間学 詩経
五経の一つ。三〇五編。孔子の編といわれるが未詳。諸国の歌謡を採った国風、政治の興亡・宴会・戦争をうたった雅、祭りをうたった頌に別れ、詩集であるとともに周代における各国の状態を知る貴重な史料である。
思い邪(よこしま)なし
(心が素直で、偽り飾るところがない)
周(しゅう)は旧邦(きゅうほう)なりと雖(いえど)も、其(そ)の命(めい)維(こ)れ新たなり
(周は古い伝統のある国ではあるが、そのはたらきは日々に新たで止まるところがない。 ※成語である「維新」の出典)
切るが如く磋(さ)するが如く、琢(たく)するが如く磨(ま)するが如し
(「切磋」とは象牙や骨を細工する時、切ったり、削ったりすること。「琢磨」とは球や石を加工する時、叩いたり、磨いたりすること。領主はそのようにして、常に自己を磨く努力を怠らなかったのだという。 ※成語である「切磋琢磨」の出典)
他山の石、以って玉を攻(みが)くべし
(よその山で採れた石でも、わが玉を磨く助けにすることができる。 ※成語である「他山の石」の出典)
戦戦兢兢(せんせんきょうきょう)として、深淵(しんえん)に臨むが如(ごと)く、薄氷(はくひょう)を履(ふ)むが如し
(恐れ慎んで、深い淵に臨んだり、薄い氷の上を歩く時のように、いやがうえにも慎重に対処する)
桃の夭夭(ようよう)たる、その葉蓁蓁(しんしん)たり。この子于(ここ)に帰(とづ)ぐ、その家人(かじん)に宜し
(桃の花が美しく咲き、その葉がみずみずしく茂っているように、教養豊かに成長した娘が嫁けば、その家人とよく調和し、その嫁ぎ先に相応しい妻になるであろう)
今月の致知
最新号 12月1日 発行/ 1 月号
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