その他の東洋古典の名言 菜根譚

明末の洪自誠による随筆集。内容は人生の指南書ともいえる名言が多く、日本では僧侶によって仏典に準ずる扱いも受けてきた。実業家や政治家などにも愛読される人気の高い古典。読みは「さいこんたん」


末路晩年、君子更に宜しく精神百倍すべし

(晩年に差し掛かってからこそ、君子たるものは精神を百倍して気力を充実させて生きなければならない)

耳中(じちゅう)、常に耳に逆うの言を聞き、心中、常に心に払(もと)るの事あれば、わずかにこれ徳に進み、行(こう)を修むるの砥石(しせき)なり。もし、言々(げんげん)耳を悦(よろこ)ばし、言々心に快ければ、すなわち此(こ)の生を把(と)って鴆毒(ちんどく)の中に埋在(まいざい)せん

(耳には耳の痛いことばかり、胸には無念なことばかり。それがわが玉を磨く石となる。おだてられたり、いいことばかりではわれとわが身に毒を盛るようなものだ)

道徳に棲守(せいしゅ)する者は、一時(いちじ)に寂寞(せきばく)たり。権勢に依阿(いあ)する者は、万古に凄涼(せいりょう)たり。達人は物外の物(ぶつ)を観(み)、身後の身(しん)を思う。寧(むし)ろ一時の寂寞を受くるも、万古の棲涼を取ることなかれ

(道を守って生きようとすれば孤立することがある。だが、それは一時のことだ。権力にすがれば居心地はよかろう。だが、やがて永遠の孤独に苦しむ。悟りを開いた人ならば世俗の現象に惑わされず、はるかな理想に生きる)

恩はよろしく淡(たん)よりして濃(のう)なるべし。濃を先にし淡を後にするは、人その恵(けい)を忘(わす)る。威(い)はよろしく厳(げん)よりして寛(かん)なるべし。寛を先にし厳を後にするは、人その酷(こく)を怨(うら)む

(人に与える恩恵は、最初はわずかにして次第に手厚くしていくのがよい。はじめに手厚くしておいて後でわずかにすれば、人ははじめに受けた恩恵さえ忘れて不満に思うものだ。威厳を示すには、最初は厳しく接して次第にゆるめていくのがよい。はじめに優しくしておいて後から厳しくすれば、人は不当に辛く当たられたと感じて怨みを抱く)

我、人に功あらば念(おも)うべからず。而(しか)して過(あやま)ちは則(すなわ)ち念わざるべからず。人、我に恩あらば忘るべからず。而して怨(うら)みは則ち忘れざるべからず

(人に施した恩恵は忘れてしまった方がよい。だが、人にかけた迷惑は忘れてはならない。人から受けた恩義は忘れてはならない。だか、一皮受けた怨みは忘れてしまった方がよい)

人の小過(しょうか)を責めず、人の陰私(いんし)を発(あば)かず、人の旧悪(きゅうあく)を念(おも)わず。三者は以て徳を養うべく、また以て害に遠ざかるべし

(小さな過失はとがめない、隠し事は暴かない、古傷は忘れてやる。他人に対してこの三つのことを心がければ、自分の人格を高めるばかりでなく、人の恨みを買うこともない)

今月の致知

最新号 6月1日 発行/ 7 月号

特集 いちねん

致知一日一言メルマガ

心の糧になる言葉を毎日ご覧になりたい方

毎朝7時20分、『致知』の名言を配信!
通勤電車で、始業前のオフィスで、各界の一流人たちの金言に触れることで毎朝の心構えを磨き直し、今日1日を勝利する力を得る—。
現在、約3万人の方にご愛読いただいており、「気持ちの折れそうな毎日を私はこれで補強しています」「私の心の栄養剤です」「とても前向きな気持になれます」といった声をいただいています。
朝イチの名言で、よき一日、よき人生を創造されてはいかがでしょうか。

無料致知一日一言メルマガの登録はこちら

ご登録前に読者登録規約個人情報保護ポリシーをお読みください。

読者登録規約

第1条(目的)

本規約は、株式会社致知出版社(以下、弊社という)が配信するメールマガジン「致知出版社の「人間力メルマガ」(無料)」への読者登録を希望される方(以下、読者登録希望者という)及び読者登録を行った方(以下、登録読者という)に適用されるものとします。

第2条(個人情報の取り扱い)

1.個人情報の取り扱いは、弊社が別途定める「個人情報保護ポリシー」に従います。
2.弊社は、登録読者及び読者登録希望者のメールアドレスを、メールマガジン配信及び弊社からの連絡並びに弊社からの広告宣伝物の送信の目的で使用することができるものとします。

第3条(読者登録)

読者登録希望者は、所定の登録フォームから自己のメールアドレスを送信するか、または弊社に自己のメールアドレスを通知し、読者登録を行うものとします。

第4条(読者による読者登録解除)

登録読者がメールマガジン配信の停止を希望するときは、所定の登録解除フォームから自己のメールアドレスを送信することにより、読者登録を解除するものとします。

第5条(弊社による読者登録解除)

弊社は、次の各号のいずれかに該当する事由があると認めたときは、当該読者登録を解除することがあります。
一メールアドレスの誤り、廃止、受信障害その他の理由によりメールマガジンが不達となったとき。
二 第6条の禁止事項に該当する行為があったとき。
三 メールマガジンを廃刊したとき。
四 その他読者登録を継続することが不適当な事由があるとき。

第6条(禁止事項)

読者登録希望者及び登録読者は、次の各号に掲げることを行ってはならないものとします。
一 他人のメールアドレスを読者登録すること。
二 不正に入手又は生成した大量のメールアドレスを読者登録すること。
三弊社のサーバに対して不正アクセスを試みること、その他弊社のシステムに障害を発生させようとすること。

第7条(システムの停止)

1.弊社は、システムの保守のため、サービスの一部又は全部を一時停止することがあります。
2.弊社は、システム若しくは通信回線等の障害又は停電、騒乱、火災若しくは天災地変等の不可抗力によって、予告なくサービスの一部又は全部の提供を一時停止することがあります。

第8条(弊社からの連絡及び告知)

弊社は、電子メールの送信又は所定のウェブページへの掲載によって、登録読者への連絡又は告知を行うことができるものとし、これによって連絡又は告知事項が登録読者に到達したものとみなします。

第9条(免責)

弊社は、メールマガジンの利用により、または利用できないことにより登録読者に損害が生じても、何らの責任を負わないものとします。

第10条(準拠法・合意管轄)

本規約の準拠法は日本法とします。また、弊社と利用者との間で生じた紛争については、弊社の住所地を管轄する裁判所を第一審の専属管轄裁判所とします。

第11条(規約の改定)

弊社は、本規約を改定することができるものとします。

附 則

1.このメールマガジン読者利用規約は、2010年5月22日から実施します。

個人情報保護ポリシー

株式会社 致知出版社は、皆様から提供された個人情報について、その重要性を認識し、個人情報に関する法律および関連法令等を遵守することにより、個人情報の適正な収集・利用・安全管理を目指し、その実現のために次の事項に徹底を図ります。

(1)「個人情報保護に関する規定」の策定および継続的改善

当社は、「個人情報保護に関する規定」を策定し、当社役員をはじめ従業員に周知を徹底いたします。また、取引先等についても個人情報の取り扱いについて法令を遵守することを要請するとともに、必要に応じ監督・指導・協議をいたします。

(2)安全対策の実施

個人情報管理責任者を定め、個人情報の正確性および安全性を確保するため、個人情報への不正アクセス、または個人情報の紛失・改ざん・漏洩等の予防に努めます。 また、ご提供いただいた個人情報は、法令による場合等、正当な理由がある場合を除き、第三者に提供することをいたしません。

(3)個人情報の収集・利用・提供

個人情報の収集に際しては、あらかじめ収集・利用目的をお知らせするとともに、その範囲における適正利用をいたします。

(4) 個人情報の開示・訂正・削除

当社保有の個人情報について、その情報をご提供いただいたご本人から、開示・訂正・削除・利用停止の依頼を受けた場合は、迅速な処理を心がけ、法令に則り速やかな対応をいたします。 なお、個人情報保護法第50条第1項に規定されている、報道または著述の用に供する目的における個人情報の取り扱いについては、このポリシーの対象となるものではありません。

平成22年5月22日 株式会社 致知出版社

閉じる