人生すべてポジティブ要素 若生裕太(パラ陸上視覚障害者クラスやり投げ選手)

「パリ2023世界パラ陸上競技選手権大会(F12,F13クラスやり投)」で7位入賞を果たした若生裕太さんを病が襲ったのは、大学2年生の時。体育教師を目指し勉学に励んでいた最中、急激な視力低下や視界の中心が見えにくくなる難病「レーベル遺伝性視神経症」を発症した。失意の底に沈む氏を奮起させたのは、負い目を感じる母の涙だった。お母さんの子育ては正しかったと証明したい──。その一心で障害に立ち向かい、やり投げという道で人生を花開かせた軌跡を辿る。そして、次なる目標と決意を語っていただいた。(写真提供=若生氏)

人生すべてポジティブ要素。出来事自体は変えられなくても、解釈はいかようにも変えることができる

若生裕太
パラ陸上視覚障害者クラスやり投げ選手

〈若生〉
高校野球を経て、体育教師を目指し大学に進学。9年前(2017年)、大学2年生だった私は、所属する野球サークルの練習中にある異変に気づきました。

片眼の視界がぼやけ、向かってくる球が思うように捕れない。いつもはしないような空振りをしてしまう。違和感を覚え、病院を受診した末に通告されたのは「レーベル遺伝性視神経症」でした。

レーベル症は、遺伝子変異により、急激な視力低下や視界の中心が見えにくくなる難病です。例に漏れず、私も異変から3か月で片眼が、半年ほどでもう片方の眼もほとんどが見えなくなりました。

刻一刻と視力が低下していく日々……。サッカーの授業では、……(続きは本誌にて)

プロフィール

若生裕太

わこう・ゆうた――平成9年東京都生まれ。高校野球を経て、体育教師を目指し大学に進学。大学2年生の時に、急激な視力低下や視界の中心が見えにくくなる難病「レーベル遺伝性視神経症」を発症。失意の中でパラスポーツに出会い、30年やり投げを開始。野球で鍛えた強肩を活かし、翌年には「日本パラ陸上競技選手権大会(F12クラスやり投)」にて日本記録(当時)を樹立して優勝。令和5年「パリ2023世界パラ陸上競技選手権大会(F12,F13クラスやり投)」で7位入賞。


編集後記

いままで見えていた世界が突然、見えなくなる。かねて描いていた体育教師という夢を諦めざるを得なくなる。普通そのような状況に直面すれば、絶望し、悲嘆に暮れることでしょう。しかし、若生さんは障害という逆境から目を背けず、地道な努力の末に新たな人生を築き上げてこられました。体験を通して掴まれた信条「人生すべてポジティブ要素」は胸を打ちます。

2026年9月1日 発行/ 10 月号

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