10 月号ピックアップ記事 /致知随想
人生の冒険をやめない 渡邊直子(登山家)

毎号分野を問わず、一道を切り拓いてこられた5名の方々にご登場いただく連載「致知随想」。創刊当初より読者の皆様から高い支持を得ている人気連載です。
今月は、ヒマラヤ山脈に聳える標高8000メートル超えの高峰全14座の頂に立ち、日本人女性初の快挙を成し遂げた渡邊直子さんがご登場。渡邊さんはいかにしてヒマラヤに魅せられ、14座制覇を成し遂げたのか。挑戦と葛藤の歩みを振り返っていただきました。
【写真=2024年10月9日、シシャパンマ(8027m)登頂の瞬間】

道から外れるのを恐れないこと。人生の冒険をやめなければ、人はどこまでも成長できる
渡邊直子
登山家
エベレストを筆頭に、ヒマラヤ山脈に14座ある標高8000メートルを超える高峰。私は2024年10月9日、42歳の時にヒマラヤの一角を成すシシャパンマの頂に立ち、日本人女性として初めて8000メートル峰全14座登頂者となりました。
ただヒマラヤが楽しい。その一心で登り続けるうちに、気づけば14座制覇していたというのが正直な感覚です。
私の原点を辿ると、幼少期の体験に行き着きます。福岡県で生まれ育ち、看護師の母は障がい児の養育施設で働いていました。そこの園長先生が毎年冒険キャンプを催していて、私も3歳から一人で参加するようになりました。
最初こそ一人で寂しかった記憶があります。ただ、川や山で走り回り、新しいことを経験するのは楽しくて仕方ありませんでした。小学校に上がってからも中国の無人島キャンプや冬山登山に積極的に参加し、溢れる好奇心を満たす日々を過ごしたのです。
いつしか登山が日常の一部になり、19歳の時には標高5000メートルを誇るヒマラヤのマルディヒマールの登頂に成功しました。頂上に立った喜び以上に、シェルパ(ヒマラヤの道案内を行う現地人)と寝食を共にしたり、様々なハプニングが起こったり、長期間に及ぶ遠征での刺激的な毎日を鮮明に覚えています。……(続きは本誌にて)
プロフィール
渡邊直子
わたなべ・なおこ――1981年福岡県生まれ。3歳から登山やサバイバルキャンプ企画などに参加。小学4年生から雪山登山に魅了され、中学1年生でパキスタンの4700mまで雪山登山、大学1年生で5000m峰、大学3年生で6000m峰登山に挑戦し、登頂。2004年長崎大学水産学部水産学科卒業。09年日本赤十字豊田看護大学看護学部看護学科卒業。同大学在学中に自身初の8000m峰登山としてチョ・オユー(8201m)に登頂。その後、看護師として働きながら資金を貯めてヒマラヤに通い、ほぼ毎年8000m峰に挑戦。2024年10月にシシャパンマ(8027m)に登頂し、日本人女性として初めてヒマラヤ8000m峰14座完登を成し遂げた。
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