10 月号ピックアップ記事 /百年企業はどこが違うのか
創業118年 崎陽軒 野並 晃(崎陽軒社長) 藤間秋男(TOMAコンサルタンツグループ会長)

主力商品の「シウマイ」を、横浜を代表する名物に育て上げ、今年創業118年を迎えた崎陽軒(きようけん)。その強力なブランド力は、いかにして確立されたのだろうか。四代目社長の野並晃氏に、同社の歴史を繙いていただくと共に、長寿企業の条件、そしてご自身の経営に懸ける思いをお話しいただいた。

世の中の変化を常に注視して新しい種蒔きを続けることで、お客様のご期待に応えていくことを心懸けてまいりました
野並 晃
崎陽軒社長
〈藤間〉
御社の「シウマイ」は、ご飯のおかずによし、お酒のつまみによしで、私は大好きなんです。いただく度に思うんですが、あの独特の風味は真似できそうでできないのでしょうね。
〈野並〉
いえ、そんなことはないと思います(笑)。ただ、味というのは頭の中で何を思いながら食べるかで印象も異なってくるでしょうから、「これは崎陽軒のシウマイだ」と思っておいしく召し上がっていただけるのは、私どもといたしましては嬉しい限りです。
〈藤間〉
以前、御社の工場を見学させていただいた時には、定番の「シウマイ弁当」の製造をあえて完全自動化せず、手作業で詰めておられたのが印象に残りました。
〈野並〉
地元の神奈川県で製造しているものは、いまも紐で結んで蓋を閉めておりましてね。これを機械でやるとおかずの大きさの僅かな違いによって蓋が浮いてしまうなど、微調整がとても難しいのです。機械化へのチャレンジは続けていますが、資本力のある大企業とは異なるやり方で、私ども中小企業でも生き残れる道を常に模索しながら取り組んでおります。
〈藤間〉
その点、御社のシウマイが横浜名物として広く認知されているのは大きな強みですが、この春にはギヨウザも発売されましたね。崎陽軒のギヨウザというのはちょっと意外性があって、思わず買ってしまいました(笑)。
〈野並〉
ありがとうございます。ギヨウザは以前も販売したことがあるのですが、その時は売れ行きが芳しくありませんでした。そこで改めて崎陽軒らしいギョウザって何かなと考えて、シウマイの形をした「ギヨウザ」ならお客様も面白がっていただけるのではないかと。プレスリリースで告知したのが4月1日でしたので、SNS界隈では「エイプリルフールか?」とちょっとした話題になりまして(笑)、おかげさまで上々の出だしとなりました。
当社はまだシウマイの一本足打法で経営を維持しているのが現状です。リスクヘッジも考慮して、このギヨウザ以外にも様々なお弁当やお菓子を提供するなど、シウマイ以外に軸になる新商品の開発には常に心を砕いています。……(続きは本誌にて)
~本記事の内容~
◇大資本とは異なるやり方で
◇横浜に生まれ 横浜と共に育つ
◇真に優れたローカルブランドを追求
◇特別なチケットを使わないのはもったいない
◇当たり前を大事にする

〈ホスト〉
藤間秋男(とうま・あきお)
TOMAコンサルタンツグループ会長
昭和27年東京都生まれ。慶應義塾大学商学部卒業。公認会計士税理士。明治23年創業の藤間司法書士事務所の末裔として、昭和57年藤間公認会計士税理士事務所を新規創業。230名の総合コンサルファームにTOMAグループを成長させ、平成29年より会長。著書に『中小企業の事業承継はじめに読む本』(すばる舎)『100年残したい日本の会社』(扶桑社)など多数。
プロフィール
野並 晃
のなみ・あきら――昭和56年神奈川県生まれ。平成16年慶應義塾大学経済学部卒業。キリンビール入社。19年崎陽軒入社。24年取締役。その後、常務、専務を経て、令和4年社長に就任。
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