10 月号ピックアップ記事 /対談
何が勝運を呼び寄せるのか 王 貞治(福岡ソフトバンクホークス会長) 栗山英樹(北海道日本ハムファイターズCBO)

運とはいかなるものか。運はどこから来るか。運をつかむ人とつかみ損ねる人の差は何か――。人生におけるこの一大テーマに関して、長年勝負の世界に身を置き、チームを幾度も頂点に導いてこられたお二人の名将に語り合っていただいた。王貞治氏、86歳と栗山英樹氏、65歳である。選手時代と監督時代それぞれの心懸け、野球の神様に愛される人の共通点、強い組織をつくるリーダーの条件、野球を通してつかんだ人生の要諦に迫る人間学談義。

ひたむきさや貪欲さを持ち続けて行動する者にのみ勝利の女神は微笑むんです
王 貞治
福岡ソフトバンクホークス会長
〈栗山〉
きょうは愛読する『致知』で尊敬する王会長と対談の機会をいただけて光栄です。有り難いことに、昨年王会長がお声掛けくださって一緒にお仕事をするようになりましたけど、腰を据えて質問できる時間はあまりなかったので、たっぷり勉強させていただこうと思っています。
〈王〉
こちらこそ。私はもう20年以上『致知』を読ませていただいていますが、「自分を高める、人から学ぶ」ことの大切さをこの本に教えられてきました。86歳のいまも、日々学びと感動を得られることに感謝しています。
昨年私は、これまで自分を育ててもらった野球界のために少しでも役に立ちたい、恩返しがしたい、野球の楽しさを子供たちに味わってもらいたいと思って、一般財団法人「球心会」を設立しました。栗山さんにはその副代表に立ってもらったわけですが、私が考えてやり始めたことを受け継いで、野球界を支えてくれていますから、こんな幸せなことはないですよ。

自分のことはさておき、誰かのために尽くしている人のところに運は引き寄せられると実感しています
栗山英樹
北海道日本ハムファイターズCBO
〈栗山〉
僕が最初に王会長と直接話をさせてもらったのは、日本ハムの監督になって2年目、2013年でした。この年に大谷翔平が入団してきて、みんなが「二刀流なんて無理だ」と文句を言っている時に、王会長がわざわざ来てくださって、「野球界のためになるから大変だけど頑張れ」と。この激励の言葉は本当に胸に沁みました。
〈王〉
あれは確か福岡ドームで試合のあった日でしたね。私はホームゲームの時は、相手チームの控室まで挨拶に行くようにしていたんですよ。遠くから来ていただいてありがとうって。
〈栗山〉
王会長が来られると聞いて「いや、僕が行きます」と言ったんですけど、もう既に来られていて恐縮しました。そういう心遣いが自然にできるところも学ばせていただきました。
きょうは「運をつかむ」というテーマですが、それに関して王会長に一つお尋ねしたいことがあります。……(続きは本誌をご覧ください)
本記事の内容 ~全10ページ(約14,000字)~
◇奇跡のような巡り合わせ
◇運をつかむ上で大切な3つの要素
◇世界のホームラン王はかくて生まれた
◇一流の人は突き抜けている
◇どん底の選手時代を救ってくれた二人の恩人
◇リーグ最下位から日本一への道のり
◇大谷翔平氏が世界最高の選手たる所以
◇勝つ時は選手のおかげ 負ける時は監督の責任
◇トップの覚悟が運を巻き込む
◇常にアンテナを張っているかどうか
◇歳を取っても氣力には限界がない
プロフィール
王 貞治
おう・さだはる――昭和15年東京生まれ。34年早稲田実業高等学校を卒業後、読売ジャイアンツに入団。48年と49年三冠王。52年通算本塁打756本の世界記録を達成し、初の国民栄誉賞を受賞。55年通算本塁打868本の世界記録を最後に現役生活を終える。59~63年読売巨人軍監督。平成7年福岡ダイエーホークス(現・福岡ソフトバンクホークス)監督就任(20年退任)。18年第1回WBCで日本代表監督を務め、優勝へ導く。21年より福岡ソフトバンクホークス会長。著書に『野球にときめいて 王貞治、半生を語る』(中公文庫)など多数。
栗山英樹
くりやま・ひでき――昭和36年東京都生まれ。59年東京学芸大学卒業後、ヤクルトスワローズに入団。平成元年ゴールデン・グラブ賞受賞。翌年現役を引退し野球解説者として活動。24年から北海道日本ハムファイターズ監督を務め、同年チームをリーグ優勝に導き、28年には日本一に導く。令和3年侍ジャパントップチーム監督に就任。5年WBC優勝(3大会ぶり3度目)。6年北海道日本ハムファイターズのチーフ・ベースボール・オフィサー(CBO)に就任。著書多数。横田南嶺氏との共著に『運を味方にする人の生き方』(致知出版社)がある。
編集後記
王貞治さんと栗山英樹さん。球界を代表する2人の名将は共に『致知』の愛読者でもあります。王さんは今年1月、弊社主催の新春特別講演会に体調不良で急遽登壇が叶わなくなり、容態を心配していましたが、7月中旬に取材が実現。想像以上に元気旺盛な姿に接し、安堵を越えて感服しました。「氣力には限界がない」との言葉が一層重みを以て迫ってきます。栗山さんの謙虚素直に学ぼうとする眼差しも印象的でした。人間学の真髄に触れられる対談です。

特集
ピックアップ記事
-
対談
運をつかむ生き方
坂口志文(大阪大学特別栄誉教授)
北川 進(京都大学副学長)
-
対談
何が勝運を呼び寄せるのか
王 貞治(福岡ソフトバンクホークス会長)
栗山英樹(北海道日本ハムファイターズCBO)
-
対談
あの日から私の経営者人生は始まった ~妻の経営奮闘記~
山本久美(エスワイフード代表)
山口久美子(玄品グループ関門海社長)
-
エッセイ
人生の主役は自分 ~小出義雄監督と共に歩んで~
有森裕子(元女子マラソン日本代表)
-
エッセイ
恭黙の人・貝原益軒に学ぶ運命をひらく極意
山崎光夫(作家)
-
インタビュー
当たり前に思える一つひとつが奇跡そのもの
山下欽也(岩泉ホールディングス社長)
-
インタビュー
人間学の学びが僕の運命を変えた
亀井潤一郎(大阪府堺市倫理法人会会長)
-
インタビュー
人間教育で勉強も人生も大逆転が起きる
木村吉宏(ヒューマレッジ創業者)
-
エッセイ
越後瞽女・小林ハルの生き方が教えてくれたもの
萱森直子(越後ごぜ唄「さずきもん」主宰)
好評連載
バックナンバーについて
バックナンバーは、定期購読をご契約の方のみ
1冊からお求めいただけます
過去の「致知」の記事をお求めの方は、定期購読のお申込みをお願いいたします。1年間の定期購読をお申込みの後、バックナンバーのお申込み方法をご案内させていただきます。なおバックナンバーは在庫分のみの販売となります。
定期購読のお申込み
『致知』は書店ではお求めになれません。
電話でのお申込み
03-3796-2111 (代表)
受付時間 : 9:00~17:30(平日)
お支払い方法 : 振込用紙・クレジットカード







