運は動より生ず 冨安徳久(ティア社長)

各界を代表する企業、機関、団体を牽引してきたリーダーに、人生観・仕事観を形成した体験や、貫いてきた信条を披歴いただく連載「私の座右銘」。
今回は一代で上場を果たし、葬儀業界の革命児として注目を浴びる(株)ティアの創業者で現代表取締役社長の冨安徳久氏に登場いただきました。18歳でたまたまアルバイトに入った葬儀社で、誇りを持って感動の葬儀を提供する一人の先輩と出逢い、これこそが人生を懸けるべき仕事と思い定めた冨安氏。以降一つひとつの葬儀に全力で向き合い、業界のタブーに挑戦して道を拓いてこられました。葬儀という仕事の何がそれほどに心を惹きつけるのか。人が心から満足する葬儀とは何か――。多くを教えられます。

運は動より生ず

冨安徳久
ティア社長

私が尊敬してやまない人物に、明治維新の立役者・坂本龍馬がいます。中学3年の夏、恩師の薦めで司馬遼太郎の『竜馬がゆく』を全巻読破し、胸に熱いものが込み上げました。

龍馬が親に絶縁状を認めさせて脱藩を決行、土佐を出立したのは1862年。交通手段が限られた当時にあって、1867年に死すまでの五年間の移動距離は地球1周分の約4万キロとも言われます。大業の陰には、これほどの行動があったのです。

「運は動より生ず」――。

高校を出て入社した山口県の葬儀会社で、3年目に担当した葬儀の法話で聞いた言葉です。

誰の言葉かは不明ですが、運とは、行動する人に生じるもの。運が悪いと言う人は自分の行動が足りていないだけだ。若い私は、何事も行動を起こすことで未来が開けるのだと受け止めました。
 
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~本記事の内容~
◇運を掴みたいなら自分がまず動く
◇自分の最愛の人を送り出すように携われ
◇日本で一番「ありがとう」と言われる会社を目指して

プロフィール

冨安徳久

とみやす・のりひさ――昭和35年愛知県生まれ。高校卒業後、18歳で山口県の葬儀社に就職。3年半の勤務後、Uターンして東海地方の大手葬儀社へ転職。平成9年株式会社ティアを設立。26年東証一部上場。令和6年12月現在、会館数はグループ・フランチャイズ合計で205店、葬儀施行数は約2万4千件に及ぶ。著書は『最期の、ありがとう。』『愛ある経営』(共にWonder Note)他多数。


編集後記

溌剌颯爽。激務の合間を縫って会場に入ってこられた冨安さんの第一印象です。時間が限られた中、自分の思いを目いっぱいお話しくださいました。「運は動より生ず」を地で行く半生に学びが詰まっています。

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