2 月号ピックアップ記事 /第一線で活躍する女性
人生の成功とは子供の頃の夢を追い続けること 天野惠子(内科医)
女性外来のパイオニアとして知られる内科医の天野惠子さん。82歳となったいまなお診療の最前線に立ち、患者の悩みに耳を傾けています。男性中心の医学界で、天野さんはいかにして女性医療の道なき道を切り拓いたのでしょうか。その歩みを振り返っていただき、運命を開く秘訣に迫ります。
「人生の成功とは、高いポストや高額な収入を得ることではなく、子供の頃の夢を追い続けることができること」
作家・堺屋太一さんのこの言葉は私の座右の銘であり、7歳の時に医師になると決め、まっしぐらに進んできた私の実感でもあります
天野惠子
内科医
――天野先生が4月に上梓された『81歳、現役女医の転ばぬ先の知恵』(世界文化社)には健康の秘訣やご自身の半生が綴られていて、学びに溢れていました。
〈天野〉
ありがとうございます。この11月で82歳になりました。まあね、足腰は痛いし、体は元気じゃないですよ(笑)。ただ、いまも内科医として働けていることはこの上ない幸せです。
現在は埼玉にある静風荘病院で週2回、女性外来の診療に当たっています。
私の信条は「患者さんファースト」ですから、初診にはたっぷり1時間掛けて、とにかく患者さんの話に耳を傾けます。
でも、限られた時間の中で診断を下すには、初診で患者さんに初めて向き合うようでは駄目なの。私の場合は、予約時に「健康相談記録」という問診票をあらかじめ記入してもらいます。
いままでどんな病状があり、いつ、どこの医療機関に受診したのか。またその治療内容や薬の効果はどうだったか、一つひとつ事細かに振り返ってもらう。
そして相談記録を事前に読み込み、疑問点を洗い出した上で診療に当たる。様々な要素を勘案し、適切な治療法を導き出すことを心掛けてきました。
――事前の準備を徹底されると。
〈天野〉
ええ。そうやって患者さんに寄り添う傍ら、女性医療のあるべき姿をつくりあげるため、絶えずエネルギーを割いてきました。
この10月には、
……(続きは本誌にて)
~本記事の内容~
◇82歳のいまなお診療の最前線に立つ
◇「お医者さんになって、死なないようにしてあげて」
◇女性医師による、女性患者のための医療を広める
◇たとえ生まれ変わってもまた医師になりたい
プロフィール
天野惠子
あまの・けいこ――昭和17年愛媛県生まれ。42年東京大学医学部卒業。アメリカ・カナダ留学を経て、49年東京大学医学部附属病院第二内科に入局。平成13年鹿児島大学医学部附属病院の日本初の女性専用外来創設に貢献。14年東金病院副院長に就任し、公立病院初の女性外来で診療を担当。21年より静風荘病院で女性外来を開始、現在も臨床に携わる。著書に『81歳、現役女医の転ばぬ先の知恵』『女の一生は女性ホルモンに支配されている!』(共に世界文化社)など多数。
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