【第9回】思想爆発と報徳思想の確立 北 康利(作家)

〝二宮尊徳はどんな人か。かう聞かれて、尊徳のことをまるで知らない人が日本人にあったら、日本人の恥だと思ふ。それ以上、世界の人が二宮尊徳の名をまだ十分に知らないのは、我らの恥だと思ふ。〟
――作家・武者小路実篤の言葉です。

白洲次郎、松下幸之助、吉田茂、小林一三、稲盛和夫……日本の歴史に名を刻む数多の偉人の評伝を上梓してきた作家・北康利さんが、いま、刮目する人物。それが二宮尊徳です。
尊徳に深い敬慕を抱く北さんが丹念に資料を紐解き、縁の地に足を運んで活写される尊徳の生涯は、読む人にこれまでにない感動を与え、大いに生き方の指針となる内容です。

〈写真左=石版 報徳訓(岡田良一郎筆/尊徳記念館所蔵)|写真右=撮影:齊藤文護〉

至誠・勤労・分度・推譲の実践により、徳が報われ、「興(富)国安民」が実現されていく。
それこそが報徳思想なのである

北 康利
作家

●これまでのあらすじ

豊田正作によって桜町仕法が妨害工作に遭い、辞任を申し出るも受理されず、進退窮まった金次郎は出奔。成田山に参籠する。金次郎を失って改めてその存在の大きさに気づいた領民と藩庁は豊田を離任させ、再び金次郎に仕法の継続を委ねることとなった。

 ~第9回の目次~
 ◇夜天地和合遊ばされ候
 ◇以徳報徳
 ◇思想爆発と一円相の深化
 ◇三才報徳金毛録
 ◇至誠・勤労・分度・推譲と報徳仕法の汎用性
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プロフィール

北 康利

きた・やすとし――昭和35年愛知県生まれ。東京大学法学部卒業後、富士銀行入行。富士証券投資戦略部長、みずほ証券業務企画部長等を歴任。平成20年みずほ証券を退職し、本格的に作家活動に入る。『白洲次郎 占領を背負った男』(講談社)で第14回山本七平賞受賞。著書に『思い邪なし 京セラ創業者稲盛和夫』(毎日新聞出版)など多数。近著に『ブラジャーで天下をとった男 ワコール創業者 塚本幸一』(プレジデント社)がある。


編集後記

二宮尊徳の生涯の一つと言える〝桜町仕法〟が佳境を迎えています。尊徳の〝思想爆発〟そして「報徳思想」はいかにしてなされたのか。日本が誇るべき偉人の飛躍の瞬間を垣間見る思いです。

2024年11月1日 発行/ 12 月号

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