自己免疫力を高める生き方 ~この冬を乗り切る心身のデトックス術~ 石黒成治(消化器外科医)

多くの方が悩まれているであろう健康の問題に対し、「体と心は繋がっている」という観点から、読者の皆様に役立つ健康情報をお届けしている連載「大自然と体心」。
今月ご登場いただいたのは、消化器外科医・ヘルスコーチの石黒成治さんです。感染症が不安になるこれからの季節、どんな心構えで過ごせばよいのか? 登録者数46万人(*掲載時点)のYouTubeチャンネル〈Dr Ishiguroの健康スクール〉で発信を続ける石黒さんの本質を見据えた提言に気づきと活力をいただきます。

いたずらに感染を恐れるだけでは何にもなりません。それよりも異物に負けない体づくり、自分の免疫力を高めることが重要です

石黒成治
消化器外科医

〈石黒〉
大腸がん外科治療の専門医として、長く最前線で手術に明け暮れていた私が自分の医療に疑問を抱いたのは、開業医になってしばらく経った頃でした。

日々大勢の患者さんを診察するようになり、ふと思ったのです。高血圧に悩んでいる方に毎回、当たり前のように血圧を下げる薬を出しているけれど、本来は薬ではなく、体を治して病院に来なくてもよくするのが医師ではないか? これは医療と言えるのか――。

その後大学病院に戻るも、朝から晩まで手術に忙殺され、しばらくその疑問は頭の隅に追いやられました。疲れたら病院のコンビニで煎餅(せんべい)やチョコレートを買って栄養を補給。夜中まで働いて、深夜に夕食をドカ食いして寝る……最も忙しい時は、1週間で自宅にいられたのが僅か6時間でした。

常に何かを背負っているような気怠(けだる)さが抜けず、栄養ドリンクやサプリメントを飲んでも改善しない。エレベーターで移動する間も立ったまま寝てしまうなど、過労死寸前でした。しかし遂に2018年、心配した妻に背中を押され45歳で病院を離れました。

一体どうすれば健康になれるのだろう。こう自分の体に向き合い始めたことが、情報発信、健康スクールを始めた原点です。

食事の改善などで体調はみるみる改善し、2019年にYouTubeチャンネル〈Dr Ishiguroの健康スクール〉を開設。多数の論文や研究、実体験に基づき、日常生活で健康になるための情報を投稿し、視聴者さんから「原因が分からず悩んでいた体調不良が改善しました!」など嬉しいお声をいただいています。

特に開設初期、日本で話題になる前、海外で警戒されていた新型コロナウイルスについての論文をいち早く解説したところ大きな反響がありました。これに関して、お伝えしたいことがあります。

この10月から、新開発の「レプリコンワクチン」の定期接種が日本だけで始まりました。その危険性は複数の専門家が指摘している通りですが、こうした他者を介した異物への曝露(感染)を極度に恐れ、パニックになる方が2020年当時もいらっしゃいました。

しかし外に出て人と接し、日常生活を送る限り、ウイルスのような体外異物への曝露は避けがたいものです。いたずらに感染を恐れるだけでは何にもなりません。

それよりも異物に負けない体づくり、自分の免疫力を高めることが重要です。そのために何をすべきかを明確にし、生活習慣を整える。不安感の有無が免疫力の働きを段違いにするからです。これが私の、当初から変わらない主張です。

……(続きは本誌をご覧ください)

~本記事の内容~
◇自分自身の体に何ができるかを考える
◇免疫機能を損ねる悪習慣
◇デトックスを生活習慣に
◇マインドの安定こそ最高の免疫力強化策

プロフィール

石黒成治

いしぐろ・せいじ――昭和48年愛知県生まれ。平成9年名古屋大学医学部卒。国立がん研究センター中央病院で大腸がん外科治療のトレーニングを受け、名古屋大学医学部附属病院、愛知県がんセンター中央病院、愛知医科大学病院に勤務。現在は健康スクールで予防医療を推進すると共に、YouTubeチャンネル「Dr Ishiguroの健康スクール」にて情報発信中。近著に『Dr Ishiguroの腸活超百科』(マイナビ出版)がある。


編集後記

外科医として、かつて限界まで自分を追い込み、手術に明け暮れていた石黒さん。過労死寸前まで働き詰めた末に辿り着いた気づきをもとに、YouTubeで健康情報を発信しておられます。世界の研究や日々の実践を踏まえた分かりやすい解説で人気ですが、中でもとりわけ反響が大きかったという〝免疫力〟についてのお話を深掘りしてきました。これからの季節、特に深くお読みいただきたい内容です。

2024年11月1日 発行/ 12 月号

特集 生き方のヒント

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