がくろう 吉田 康(ブルボン社長)

各界を代表する企業、機関、団体を牽引してきたリーダーに、人生観・仕事観を形成した体験や、貫いてきた信条を披歴いただく連載「私の座右銘」。今回ご登場いただいたのは、「アルフォート」「プチシリーズ」といったお菓子で知られるブルボンの吉田 康社長です。
〈写真提供=ブルボン〉

学労兪とは人生で普遍的に大切な三つの要素です。

学は学ぶこと、労は働くこと。兪はそれらの基盤になる、食べる・寝る・遊ぶ・家族の営みなどの総称と言えば分かりやすいでしょうか

吉田 康
ブルボン社長

大正13(1924)年、新潟県柏崎市の老舗和菓子店・最上屋を基盤に誕生したブルボンは、今年で創立100周年を迎えます。

これまで「アルフォート」「プチシリーズ」といったお菓子を中心にご愛顧を賜り、2023年度は年商1,037億円、原材料費高騰など逆風が吹く中で経常利益は44億円と前期を上回ることができています。そんな当社が乾パンやミネラルウォーター、感染症対策用マスクまで幅広く製造していることは意外と思われるかもしれません。

そうした経営の淵源は、創業前年に遡ります。この年、関東大震災が発生。東京は火の海となり、物流が全国的に停止します。

最上屋の当主だった吉田吉造は、その窮状に奮い立ち、地方にも栄養価が高く、日持ちのする菓子の量産工場が必要だと新創業に踏み切ったのです。ビスケットやドロップ、米菓に始まり、乾パンの陸軍への納入など次々と事業を広げました。私が薫陶を受けた三代目・吉田高章は、それらはすべて義を感じて始めた仕事だった、と語っていました。



(続きは本誌をご覧ください)

プロフィール

吉田 康

よしだ・やすし――昭和30年広島県生まれ。名古屋大学卒業後、54年北日本食品工業(現:ブルボン)入社。62年第二製造企画部長、翌年取締役。常務、専務を経て平成8年4代目社長となる。12年東証二部(現:スタンダード)に移行上場。令和6年より一般社団法人全国ビスケット協会会長を兼務。


編集後記

コンビニやスーパーのお菓子売り場に行けば、必ずといってよいほど目にする「ブルボン」のマーク。その社業の原点は、100年前とは思えないくらいに社会性ある理念でした。さらに、先代の急逝を受けて社長に就任した吉田康さんが引き継ぐ経営方針にも啓発されることしきりです。

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