日本の未来に〝希望〟の光を~大宰相・安倍晋三が日本人に遺したもの~ 谷口智彦(元安倍内閣官房参与)

2022年7月8日、安倍晋三元総理が銃撃され命を落とされました。安倍元総理はどのような政治家であり、私たち日本人に何を遺したのか――。安倍元総理のスピーチライターとして主な対外スピーチのすべてに携わった元安倍内閣官房参与の谷口智彦氏に、安倍元総理の知られざる素顔、リーダーシップの源泉、そして日本人に遺した〝希望〟について語っていただきました。
【写真=車中で朗読の練習をする安倍元総理、左は谷口氏(撮影:安倍昭恵さん)】

真っ先に若者の支持と敬慕、追慕を集めた指導者は、安倍元総理のほかに誰がいたでしょう。元総理の蒔いた「希望」の種子は、次代に芽を吹きつつあると信じます

谷口智彦
元安倍内閣官房参与

2022年7月8日─。安倍晋三元総理が兇弾に斃れたあの日から、早くも2年を超す月日が過ぎ去りました。この間、私の胸中に悲しみは訪れませんでした。むしろ、いまも込み上げてくるのは「公憤」というべき感情です。

事件から10日後、奈良県近鉄大和西大寺駅前の現場を訪れた私は目を疑いました。安倍元総理が立っていた場所と、犯人がいた地点との距離は僅か13メートルです。野球のピッチャーとホームベースとの間が18・44メートルですから、とても近い。

交差点の中に、クルマの流れを整えるシカケなのか、低いガードレールで囲った四角い仕切りがありました。その中にビールの箱を台代わりに置き、安倍総理はそこに立って演説していました。

背後から、不審な人物が一人近づいてくる。その姿を目の隅に認めた人が一人でもいて、「ちょっとあなた」と制止していれば、犯人はそこで止まり、犯行は、簡単かつ完璧に防げていました。

なぜそれほど容易に防げた犯罪のために、日本の偉大な指導者がやすやすと倒れなければならなかったのか。その不条理を考えると、私の公憤はくすぶったまま冷めようとしないのです。

元総理と初めて仕事をご一緒したのは第一次政権当時の2007年です。……(続きは本誌にて)

~本記事の内容~
◇安倍晋三元総理はいまも心の中に生きている
◇人々を魅了する安倍元総理の人間性
◇日本人に誇りと希望を取り戻す

プロフィール

谷口智彦

たにぐち・ともひこ――昭和32年香川県生まれ。東京大学法学部卒業後『日経ビジネス』誌で約20年記者。同誌ロンドン特派員時代にロンドン外国プレス協会会長。平成17~20年、外務省で外務副報道官、麻生太郎外相、安倍晋三総理(いずれも当時)の演説作成に従事。安倍第二期政権で内閣審議官、内閣官房参与として安倍総理の外交演説を担当。慶應義塾大学大学院教授を経て筑波大学特命教授、富士通フューチャースタディーズ・センター特別顧問。著書に『安倍総理のスピーチ』(文春新書)など。


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