5 月号ピックアップ記事 /第一線で活躍する女性
茶道を通じて日本の心を次世代に 米澤喜美子(茶道裏千家正教授)
茶道裏千家正教授として、茶道の心、日本人の生き方を国内外の多くの人々に伝えて続けている米澤喜美子さん。60年以上、茶道の道を倦まず弛まず歩んできた米澤さんに、茶道が教えてくれたよりよい人生を送るヒントを語っていただきました。
「一盌からピースフルネスを」の精神で日本文化、日本の心を日本人、世界の人々に伝えていくべく、生涯現役で茶道の一道を歩んでいきたいと思います
米澤喜美子
茶道裏千家正教授
――米澤さんは茶道裏千家正教授として国内外の多くの人たちに茶道の精神、日本の伝統文化の素晴らしさを伝えて来られました。
〈米澤〉
茶道を始めてもう60年以上、今年7回目の歳女になりますけれども、漆器や焼き物などお道具の製作も含め、茶道をより楽しみ、広めていくにはきちんとした組織があったほうがいいと思って、平成2年に「茶美の会」をつくったんです。令和2年には、沼津御用邸記念公園で茶美の会30周年記念のお茶会を開催し、たくさんの方にお越しいただきました。
――30年続けてこられたというのは、本当にすごいことです。
〈米澤〉
それで20年ほど前、あるお茶に関係する企業の社員教育で、関東130店舗の店長クラスの方々に茶道を指導いたしました。その時、店頭販売を担当する子に、「お抹茶は飲んだことあるの?」って聞いたら、「ありません」と言うので、「飲んでもいないものをお客様に勧めない!」って(笑)。
さらに、「お客様が薄茶を買いに来られた時、薄茶を切らしていたらどうするの?」と聞いてみたら、「あいにくただいま切らしておりますと答えます」って言うのよ。私はもう呆れちゃって……。「ちょっとお値段は高いけれども、とても風味があっておいしい濃茶を勧めなさい。濃茶を点てて飲んでくだされば、その方はきっといいお客様になってくださいます。せっかく来たお客様を手ぶらで帰さないで!」って伝えたんです(笑)。
――茶道の「おもてなしの心」を伝えたわけですね。
米澤 ええ。当時、…(続きは本誌をご覧ください)
▼日本文化の総合芸術
▼鹿児島で迎えた終戦
▼茶道の魅力に開眼する
▼三十代で指導的立場に
▼茶道の心を後世に
プロフィール
米澤喜美子
よねざわ・きみこ――昭和15年北海道函館生まれ。茶名・宗美(そうび)。18歳から本格的に茶道を始める。若くして指導者的立場になり、裏千家正教授として様々な企業や団体で講師を務める。また会員制倶楽部Q.E.Dで茶友倶楽部などを主宰し、一般の方から各界著名人まで幅広く茶道を指導。外務省文化使節として鵬雲斎千玄室大宗匠に随行し、世界各地を歴訪。ワシントン桜祭りでの茶会も担当する。また、華道池坊正教授、薩摩大使、茶の湯コーディネーター、知的障害者のスペシャルオリンピックス日本神奈川の相談役として幅広く活躍を続ける。
特集
ピックアップ記事
-
対談
人類の未来を拓くがん治療への挑戦
小林久隆 (アメリカ国立衛生研究所主任研究員)
北尾吉孝(SBIホールディングス会長兼社長)
-
インタビュー
いまも料理が恋人 この道に終わりなし——93歳、生涯現役を貫く 和食の神様が語る
道場六三郎 (銀座ろくさん亭主人)
-
エッセイ
名僧・鈴木正三に学ぶ 勤勉努力の精神
小林 誠 (鈴木正三顕彰会会長)
-
エッセイ
患者様一人ひとりの回復を信じて
西島暁子(ソレイユ訪問看護ステーション所長)
-
インタビュー
すべては、世界に誇る「國酒」を飲んでもらうために
久慈浩介(南部美人五代目蔵元)
-
インタビュー
書こそ我が人生 命ある限り歩み続ける
黒田賢一(書家/正筆会会長)
-
インタビュー
狂言の力で日本に活力を取り戻す
茂山千三郎 (狂言師)
-
対談
人間力を高める教育ここにあり【学内木鶏会は現代の寺子屋】
福永昇三(東洋大学体育会ラグビー部監督)
森本琢朗(札幌日本大学高等学校硬式野球部監督)
-
対談
二宮尊徳の歩いた道
二宮康裕 (二宮総本家当主)
北 康利 (作家)
好評連載
バックナンバーについて
バックナンバーは、定期購読をご契約の方のみ
1冊からお求めいただけます
過去の「致知」の記事をお求めの方は、定期購読のお申込みをお願いいたします。1年間の定期購読をお申込みの後、バックナンバーのお申込み方法をご案内させていただきます。なおバックナンバーは在庫分のみの販売となります。
定期購読のお申込み
『致知』は書店ではお求めになれません。
電話でのお申込み
03-3796-2111 (代表)
受付時間 : 9:00~17:30(平日)
お支払い方法 : 振込用紙・クレジットカード