人間力を高める教育ここにあり【学内木鶏会は現代の寺子屋】 福永昇三(東洋大学体育会ラグビー部監督) 森本琢朗(札幌日本大学高等学校硬式野球部監督)

『致知』をテキストにした人間学の勉強会「木鶏会」が学校現場でも導入され、「学内木鶏会」として若者の間に大きな広がりを見せている。東洋大学ラグビー部を率いる福永昇三監督(写真右)、札幌日大高校野球部を率いる森本琢朗監督(写真左)も、学内木鶏会を導入して選手たちの目覚ましい成長を目の当たりにしているという。お二人はなぜ学内木鶏会を導入したのか、そしてどのような成果を得たのか。各々の足跡を交えて語り合う現代の寺子屋・学内木鶏会の魅力。

『致知』を読むことで子供の頃の素直な心、素心を取り戻して、チームのために力を尽くすようになるんです

福永昇三
東洋大学体育会ラグビー部監督

〈福永〉 
うちは木鶏会を始めて5年目で、この3月に卒業した選手たちは1年の時から木鶏会をやってきました。

学生たちが木鶏会で読む感想文もそうなんですけど、普段使う言葉、態度に短期間でものすごい変化が現れています。おかげで保護者、OB、ファンの皆さんから、部員の態度が素晴らしいと褒めていただくことが年々増えていますし、一部リーグでは2年連続でマナー賞をいただいて、高校生の皆さんからも、こういうチームでプレーしたいと言われることが増えてきているんです。

それから、私たちがチームで木鶏会をやっていることは社会人のスカウティングの方々も見てくださっていましてね。指導者の方からいまはどこの大学がいいかと聞かれると、木鶏会の取り組みも交えて東洋大学を推薦してくださっているので、ありがたいんです。

〈森本〉 
試合でも大きな成果を上げておられますね。

〈福永〉 
私が監督になった2018年には関東の2部リーグにいたのですが、翌年の秋に木鶏会も導入して皆で頑張り、2021年に29年ぶりに1部リーグへ昇格しました。そして一部の初戦で、それまで4年間負けなしだった強豪の東海大学と対戦して、勝ったんです。

〈森本〉 
あぁ、1部リーグへ昇格した年に絶対王者の東海大学を倒されたのですか。

礼ではなく「御礼」。「御」を大事にする東洋大学ラグビー部は試合後、必ず応援席に向かって深々と御礼する

高い目標にチャレンジする姿勢、集中力、乗り越えていく力は、『致知』を読む前と後では明らかに変わってきています

森本琢朗
札幌日本大学高等学校硬式野球部監督

〈福永〉 
『致知』2月号の「特集総リード」に、森本さんが指導なさっている札幌日大高校野球部の方々の発表が紹介されていましたが、あれは素晴らしい感想文でしたね。

〈森本〉
ありがとうございます。去年の11月に札幌で開催された「北海道社内木鶏経営者会」に、私どもの野球部員70人も参加させていただいて、木鶏会を通じて『致知』に学んでおられる経営者の皆様に交じって合同木鶏会をさせていただいた時の発表なんです。

「特集総リード」にも紹介いただいたように、彼らは「日本をこれから変えていく自分たちがもっと人間的に成長していかなければ日本は変わらないと思いました」「どんな環境、人間関係であろうと価値を見いだして必ず成功する人間になろうと決意しました」などと素晴らしい感想を述べてくれましたし、私自身も大きな刺激をいただくことができました。

〈福永〉 
日頃から木鶏会で熱心に学ばれていることが窺えるような発表ですね。野球部で木鶏会を始められたのはいつですか。

〈森本〉 
2022年です。

うちのチームはまだ夏の甲子園出場こそ果たしていないのですが、私が2020年に『致知』と出逢い、そこに書かれている内容を題材にして毎朝ミーティングをし始めたら、翌2021年の春季北海道大会で初優勝して、北海道ナンバーワンになることができました。

それで木鶏会を導入して、毎月1回、全部員70名がグループに分かれて『致知』の読後感を分かち合い、グループごとに代表を選んで発表しています。最初は高校生には難しいかもしれないと思ったのですが、彼らなりの感性でいい学びをしてくれているんです。

ありがたいことに高校野球というのはとても発信力がありまして、私どもが木鶏会を実施していることをメディアでお話ししましたら、『致知』を愛読なさっている親御さん、中学校やクラブチームの指導者の方々がそれをご覧になって、そういうチームならぜひにと、お子さんや選手を送ってくださるようにもなってきています。



▼学内木鶏会を通じて「際」の強さを養う
▼学内木鶏会のおかげとしかいいようがない
▼普段の取り組み姿勢を見てくれていた恩師
▼自分の愚かさを思い知らされて
▼努力すれば必ず道は開ける
▼自分の心をひたすら見つめた末に
▼選手たちが素心に戻る瞬間
▼木鶏会をやってよかったと分かる時がきっとくる
▼主体的に取り組むことの大切さ
▼子供が夢中で遊び続けるが如くに
▼一日たりとも手を抜くことなく

甲子園出場を目指して練習に明け暮れる札幌日大高校野球部の選手たち

プロフィール

福永昇三

ふくなが・しょうぞう――昭和50年岐阜県生まれ。関商工高校でラグビーを始め、3年連続で花園出場。平成11年東洋大学法学部卒業。在学中はラグビー部でキャプテンを務め、関東大学2部リーグ全勝優勝。U23日本代表に選出。大学卒業後、三洋電機ワイルドナイツ(現・パナソニックワイルドナイツ)に入部。15年トップリーグ元年には初代キャプテンを務めるなどして活躍し、20年の日本一に貢献。その後明治大学ラグビー部のコーチなどを経て、30年東洋大学体育会ラグビー部監督に就任。令和3年同ラグビー部を29年ぶりに関東大学リーグ1部昇格へ導き、創部64年で初の全日本大学ラグビー部選手権大会出場を果たす。

森本琢朗

もりもと・たくろう――昭和55年北海道生まれ。札幌日本大学高等学校を経て、平成15年日本大学経済学部卒業。札幌日本大学高等学校にて教職に就き、硬式野球部の指導を始める。18年同校硬式野球部監督に就任。令和3年春季北海道大会において初優勝へ導く。JADA(日本能力開発分析)協会認定SBT1級コーチ。


編集後記

東洋大学体育会ラグビー部と札幌日本大学高等学校硬式野球部。躍進著しい両チームの支えになっているのが学内木鶏会だといいます。監督を務める福永昇三さんと森本琢朗さんに、『致知』に学ぶ選手たちの成長ぶりを語り合っていただきました。今後のさらなる奮闘を期待しましょう。

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