5 月号ピックアップ記事 /私の座右銘
創造と貢献 襟川陽一(コーエーテクモホールディングス社長)

2023年、創業45周年を迎えたコーエーテクモ。『信長の野望』や『三国志』をはじめとした歴史シュミレーションゲームで知られ、移ろいの激しいゲーム業界においても過去最高の業績を記録するなど成長を続けています。同社をゼロから立ち上げると共に、ゲームクリエイター「シブサワ・コウ」として数々のヒットタイトルを生み出し、今日の繁栄の礎を築いてきたのが創業者の襟川陽一氏です。本欄では自身の座右の銘を踏まえ、創業期の苦難から直面した経営危機、経営者としての夢を語っていただきました。

当社では経営方針の一つに「新分野への挑戦」を掲げています。
かくいう私もゲーム開発に携わる中で数え切れない失敗を経験しましたが、その積み重ねによって経営者としての見識が磨かれていきました。
臆することなく挑戦した先で得られる教訓が、新たな価値を生むヒントになり、さらなる成長、ひいては顧客の創造に繋がるのではないでしょうか
襟川陽一
コーエーテクモホールディングス社長
『信長の野望』や『三國志』をはじめとした歴史シュミレーションゲームに強みを持つコーエーテクモは2023年に創業45周年を迎え、売上高は過去最高の784億円を記録しました。
これも偏に国内外のお客様から熱く支持をいただけているがゆえの恩恵に他なりません。業績の伸びはもっと頑張りなさいという声援の表れと捉え、お客様の期待を上回る商品をつくり続けることこそが、当社の使命と心に深く銘記する今日です。
とはいえ、創業当初はゲーム業界に参入するなど夢にも思いませんでした。
足利氏発祥の地として知られる栃木県足利市。この地で祖父が興した染料工業薬品の問屋の長男として生まれ、父から「おまえが三代目だ」と言い聞かされて育ったことで大学卒業後の1973年、家業の取引先に入社しました。
そうして4年が経ち、家業に戻る私を待ち受けていたのは厳しい現実でした。当時の繊維業界は…(続きは本誌をご覧ください)
プロフィール
襟川陽一
えりかわ・よういち――昭和25年栃木県生まれ。48年慶應義塾大学商学部卒業。53年光栄設立。本業の傍らゲームソフト制作を始め、後に事業化。ゲームクリエイター「シブサワ・コウ」として数々のヒットタイトルを生み出す。平成21年にテクモと経営統合しコーエーテクモホールディングス設立。現在社長業の傍ら、同社ゼネラルプロデューサーも務める。
編集後記
「まるで遊んでいるような感覚で、いまも毎日仕事が楽しくて仕方ありません」。満面の笑みを浮かべながらそう頻りに語る襟川社長の佇まいから、「知好楽游」の境地とは何たるかを感じずにはいられません。道なき道を拓き、天職に辿り着いた襟川社長の体験談には、仕事・人生の要諦が詰まっています。

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