中間選挙後のアメリカはどこに向かうのか:正しい情報が日本の未来を導く 山中泉(オフィス・ファウンテン代表)

11月8日に行われたアメリカ中間選挙は、世界から大きな注目を集めました。共和党が地滑り的に勝利する「レッド・ウェーブ」が起こると事前の予想では言われていましたが、上院では民主党が過半数を維持、下院でも共和党の大勝とはなりませんでした。在米40年、アメリカ政治と社会を独自の視点から見つめ続け、分析してきたファウンテン倶楽部代表の山中泉さんに、中間選挙の真実、今後のアメリカの行方についてお話しいただきました。

現在の困難な時代を生き抜くには、何よりも正しい情報を得る力、玉石混淆の情報を自ら考え、取捨選択していく見識が求められるのだと思います。

山中泉
オフィス・ファウンテン代表

昭和55(1980)年に渡米して43年──

私は現地で複数の会社を経営しながら、一経営者・生活者の視点でアメリカ政治、社会の実情をつぶさに見、それらを書籍やSNS等を通じて世に発信してきました。これまで何人もの大統領を見てきましたが、その中でも2020年に誕生したジョー・バイデン大統領の政権運営のお粗末さは際立っています。

長くアメリカで生活をしてきた人間として、2年間のバイデン政権の成績表をつけるなら、全教科〝落第〟とせざるを得ません。

例えば、バイデン政権になって以降、アメリカは食料やエネルギーを中心に、40年ぶりとなる急激なインフレーションに見舞われています。米労働省が2022年10月に発表した9月の消費者物価指数では、前年同月比で8.2%も物価が上昇しているのです。

これは一つには、オバマ政権時代から民主党政権が推進してきた環境保護政策によって、バイデン政権が石油・天然ガスのパイプライン開発を凍結し、新規・既存開発の許認可もすべて停止したことが影響しています。

プロフィール

山中泉

やまなか・せん―昭和33年青森県生まれ。55年に渡米し、イリノイ大学ジャーナリズム科を卒業。ニューヨーク野村證券で勤務後、起業。現在はシカゴで複数の企業を経営。三浦空手道場師範代として大勢のアメリカ人を指導。日本メーカーの北米代表も務める。滞米40年。日本のメディアでは報道されない〝本当のアメリカ〟の姿を、著書やSNS、代表を務める「ファウンテン倶楽部」等で発信している。著書の『「アメリカ」の終わり』『アメリカの崩壊』(共に方丈社)はベストセラーに。


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