その他の東洋古典の名言 小学
劉子澄が朱熹に指導を受けて編集した初学者課程の書。一一八七年成立。内外二編、六巻よりなり、酒掃・応対・進退などの作法、修身道徳の格言、忠臣孝子の事績などを集めている。江戸時代には昌平坂学問所や各地の藩校で用いられた。
義、欲に勝てば従い、欲、義に勝てば凶なり
(道理が欲望に勝っていれば、よい結果を期待できる。欲望が道理に勝っていれば、結果は凶と出る)
終身路(みち)を譲るも、百歩を枉(ま)げず
(生涯にわたって道を譲り続けたとしても、その合計は百歩にも満たない)
人に三不幸あり。少年にして高科(こうか)に登るは、一の不幸なり。父兄の勢いに席(よ)りて美官(びかん)となるは、二の不幸なり。高才ありて文章を能(よ)くするは、三の不幸なり
(人には三つの不幸がある。若くして官吏の試験に合格し出世することは第一の不幸である。親の七光りによって高い地位につくことは第二の不幸である。才能に恵まれて文章に巧みなことは第三の不幸である)
事を作(な)すには必ず始めを謀(はか)り、言を出(い)だすには必ず行(こう)を顧みる
(仕事をするときには必ず始める前に熟慮する。発言するときには必ず行動が伴っているかどうかを考える)
敬(けい)、怠(たい)に勝てば吉(きつ)なり
(敬しみの心が怠りの心に勝てば吉だが、逆に怠りの心が敬しみの心に勝てば、その結果は滅びに至る、の意)
今月の致知
最新号 5月1日 発行/ 6 月号
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古典・歴史の学びこそ人格を磨く要であり読書文化の復興が人類の命運を決する
中西輝政(京都大学名誉教授)
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読書は国の未来を開く
安藤忠雄(建築家)
山中伸弥(京都大学iPS細胞研究所名誉所長・教授)
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AI時代に負けない生きる力を育む子育て
内田伸子(お茶の水女子大学名誉教授)
川島隆太(東北大学加齢医学研究所教授)