4 月号ピックアップ記事 /第一線で活躍する女性
消えてしまいそうな儚い夢でも願いはきっと叶う 五大路子(女優/横浜夢座座長)
毎号分野を問わず、人生を真剣に生き、一隅を照らしている女性にフォーカスしている連載「第一線で活躍する女性」。創刊当初より読者の皆様からの高い人気を得ている人気連載です。
今月はNHK朝ドラ『いちばん星』や大河ドラマ『独眼竜政宗』で一躍脚光を浴び、現在は地元・横浜で自ら立ち上げた劇団「横浜夢座」に情熱を注ぐ女優の五大路子さんにご登場いただきました。
演劇の道に至る経緯やライフワークとしている一人芝居『横浜ローザ』の誕生秘話を交え、夢を実現させる秘訣についてお話しいただきました。
【写真=実在した老娼婦・ハマのメリーさんをモデルに描いた一人芝居『横浜ローザ』の舞台に立つ五大さん】
困難に直面しても、本気で夢のボールを投げ続けることが欠かせません。
本心で向き合っていれば、きっと誰かの心に火が灯されるはずです。
夢に支えられ、人の輪が繋がって、人に支えられ、その輪が広がって、想いが実現するんです
五大路子
女優 /横浜夢座座長
――五大さんが旗揚げされた劇団「横浜夢座」は、今年25周年の節目を迎えられましたね。
〈五大〉
横浜夢座は「この街から演劇を」という思いの下、1999年に産声を上げました。
そもそも演劇に目覚めた16歳の頃から、私には生まれ育った横浜の魅力を演劇で発信したいという夢がありました。テレビや舞台で活動しながら、どんどん夢が膨らんでいき、ある日その思いの丈を文化支援団体の女性の会長に打ち明けたら、「五大さんの想いが本気だったら必ずできるよ!」って背中を押されたんですね。
経営も広報も何一つ分からない。けれど、夢さえあれば道は拓けると思い立って、応援してくださる方々を地道に募っていき、一年がかりで実行委員会を発足するに至ったんです。資金繰りに苦労し心が折れかけたことも多々ありますけど、実行委員会やスタッフに支えられて、何とか今日まで夢を紡ぐことができました。
――横浜発の演劇とは、どのようなものですか。
〈五大〉
横浜の歴史、場所、人物に焦点を当てたオリジナル作品を上演しています。公演ごとに私がテーマを企画、関係者や場所を取材した上で脚本家に執筆を依頼して、作品をつくります。大正時代に実在した撮影所を描く『横濱行進曲』を筆頭に、これまで150回を超える公演を重ね、総勢約65,000名を動員してきました。
また、……
▼地元・横浜発の劇団 夢を紡いで25年
▼「あなたにしかできないことを探してごらんなさい」
▼伝説の娼婦・ハマのメリーさんに導かれて
▼全身全霊で伝えれば人々の心に火を灯せる
本記事では3ページにわたって、演劇の道一筋に歩んできた五大さんの体験談をお話しいただきました。テレビで脚光を浴びる日々から一転、地元・横浜発の劇団を立ち上げた五大さんが活動に懸ける想いとは――。
プロフィール
五大路子
ごだい・みちこ――昭和27年神奈川県生まれ。桐朋学園演劇科に学び、早稲田小劇場を経て新国劇に所属。52年NHK朝の連続テレビ小説『いちばん星』で主役デビュー。以降、NHK大河ドラマ『独眼竜政宗』や舞台『三銃士』をはじめ、数々の作品に出演。平成8年一人芝居『横浜ローザ』初演。11年横浜夢座を旗揚げ。27年神奈川文化賞、30年東久邇宮文化褒賞を受賞。著書に『Rosa 横浜ローザ、25年目の手紙』(有隣堂)がある。
編集後記
「強い想いさえあれば、夢は必ず実現できるんです」。目を輝かせながら無邪気にそう語る五大さんの姿から、夢を現実にする上で欠かせない心構えを学ばせていただきました。度重なる逆境を乗り越え、〝自分にしかできない〟演劇を模索し続けてきた五大さんの足跡をぜひご一読ください。
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