4 月号ピックアップ記事 /対談
一念三千【仏教と量子力学の融合が世界平和をひらく】 堀澤祖門(泰門庵住職) 村松大輔(開華GPE代表理事)

比叡山延暦寺で最も過酷な修行の一つとされる十二年籠山行を戦後初めて満行し、95歳を迎えるいまなお、ますます情熱の火を滾らせ仏の道を求道し続けている堀澤祖門老師。最先端科学である量子力学の理論を子供たちの教育やセミナーに生かし、多くの人々の持てる潜在能力を華ひらかせてきた開華GPE代表理事の村松大輔氏。よりよい世の中の実現という志を同じくするお二人が語り合う、仏教と量子力学の融合がひらく幸福な人生、対立と争いのない平和な世界へと至る道――。
【滋賀院門跡内に展示されている「一念三千」の書の前で】

誰もがいまの自分のままで仏だと気づくこと。それがよりよき運命、平和な世界を実現する一歩に繋がっていくのだと思います
堀澤祖門
泰門庵住職
〈村松〉
きょうは尊敬する堀澤先生と「仏教と量子力学」をテーマに対談できるという有り難い機会をいただき、本当にありがとうございます。心待ちにしていました。
〈堀澤〉
こちらこそ、村松さんとじっくり対話できることを楽しみにしていました。私たちの最初の出逢いは、3年ほど前でしたか。
〈村松〉
堀澤先生との出逢いのきっかけとなったのは、『致知』の2021年5月号に、帯津三敬病院名誉院長・帯津良一先生と私の対談「波動とエネルギーを高めて生きる」が掲載されたことでした。
その対談を、日本天台宗の開祖伝教大師最澄上人が開いた清水寺(福岡県みやま市)の鍋島隆啓和尚がご覧になり、かねて私と親交のあった遍照寺(山口県上関町)の福嶋弘祐和尚を通じて連絡をくださったことがご縁の始まりです。
そして2か月後、『致知』2021年7月号に堀澤先生と俳優の滝田栄さんの対談が掲載されたことで、今度は鍋島和尚が堀澤先生を私に紹介くださって、3人で比叡山の麓にあるKKRホテルびわこでお会いすることになったのでした。いま振り返ってみても、本当に奇跡のような出逢いでした。

私たちの人生は日々どのような思いを抱き、どのような周波数を発振しているかに大きく影響されているんです
村松大輔
開華GPE代表理事
〈堀澤〉
鍋島隆啓さんは私の最も親しい友人の一人ですけれども、とにかく村松さんの記事を読んですごく感激して、素晴らしい人がいると電話をしてくれたんです。
宗教の世界だけでは、どうしても視野が狭くなってしまいますからね、量子力学の理論をもとに子供たちの教育やセミナーなどに取り組んでいる村松さんと対話をしていると、ぐーっと新しい視野が開けていく感覚を覚えました。それが私には非常に有り難くて。
〈村松〉
私も同じです。両親はとても信仰心が篤く、私も子供の頃からよくお寺に行ってお坊さんの講話を聴いていましたし、お寺の雰囲気やお線香の匂いがとても好きでした。
ですから、堀澤先生のお話を伺うたびに、全身が喜んでいる感覚を覚えるんです。また、量子力学の話をすると、「それは仏教ではこういうことだよ」と教えてくださって、仏教と量子力学がどんどん繋がっていったんです。
〈堀澤〉
そういう意味では、私と村松さんは不思議なご縁で結ばれている無二の友であり、兄弟だと思っています。まぁ、生きている限りは、これからも兄弟として親しくしていければ嬉しいですね。
〈村松〉
無二の友、兄弟……。そこまで言っていただき光栄です。
・
・
・
▼失われていく信仰心、大難に直面する仏教
▼量子力学が仏教に新たな風を吹き込む
▼「ゼロポイントフィールド」ですべては繋がっている
▼二元相対の世界では争いはなくならない
▼一元の世界を知るだけで人生は変わっていく
▼すべてをお任せして悠々と生きる
など
プロフィール
堀澤祖門
ほりさわ・そもん――昭和4年新潟県生まれ。25年京都大学を中退して得度受戒。39年十二年籠山行を戦後初めて達成。平成12年叡山学院院長、14年天台座主への登竜門「戸津説法」の説法師を務める。25年12月より三千院門跡門主。現在は泰門庵住職。著書に『君は仏私も仏』(恒文社)『求道遍歴』(法藏館)『枠を破る』(春秋社)など。
村松大輔
むらまつ・だいすけ――昭和50年群馬県生まれ。平成10年東京大学工学部を卒業し、父親の経営する会社に勤務。25年脳力開発塾「開華」設立。量子力学をベースに「自分発振」による脳力開発を提唱。現在は小学校から大学、企業などでの研修、セミナーでも活躍。著書に『「自分発振」で願いをかなえる方法』『最新理論を人生に活かす「量子力学的」実践術』(共にサンマーク出版)など。
編集後記
仏道一筋に歩む泰門庵住職の堀澤祖門さんと量子力学の理論を教育に生かす開華GPE代表理事の村松大輔さんの対談は、比叡山延暦寺の本坊として名高い滋賀院門跡にて行われました。不思議な縁によって邂逅を果たしたお二人が語り合う仏教と量子力学の共通点には、争いなく幸福に生きるヒントが溢れていると共に、この日本から世界平和の祈りを〝発振〟していく大切さを教えられます。

特集
ピックアップ記事
-
対談
かくて運命の扉をひらいてきた
さだまさし(シンガー・ソングライター/小説家)
鈴木茂晴(大和証券グループ本社名誉顧問)
-
鼎談
運命は出逢いでひらかれる
石井頼子(棟方志功研究家)
鷺 珠江(河井寬次郎記念館学芸員)
濱田琢司(関西学院大学大学博物館館長)
-
エッセイ
【修己治人の人】古賀穀堂の生き方に学ぶ
伊香賀 隆(佐賀大学地域学歴史文化研究センター特命研究員)
-
エッセイ
あなたの中には未知の能力が眠っている
中澤公孝(東京大学大学院総合文化研究科教授)
-
インタビュー
すべてのものに感謝
長沼昭夫(きのとや会長)
-
インタビュー
困難は人生のハードル 乗り越えた喜びは私だけのもの
川嶋みどり(日本赤十字看護大学名誉教授)
-
インタビュー
98%の船を失った漁師たちは、なぜ海に出たのか
山崎義広(重茂漁業協同組合代表理事組合長)
-
対談
一念三千【仏教と量子力学の融合が世界平和をひらく】
堀澤祖門(泰門庵住職)
村松大輔(開華GPE代表理事)
-
対談
繁栄するものと廃れゆくものの道
田口佳史(東洋思想研究家)
今井博文(富士製薬工業会長)
好評連載
バックナンバーについて

バックナンバーは、定期購読をご契約の方のみ
1冊からお求めいただけます
過去の「致知」の記事をお求めの方は、定期購読のお申込みをお願いいたします。1年間の定期購読をお申込みの後、バックナンバーのお申込み方法をご案内させていただきます。なおバックナンバーは在庫分のみの販売となります。
定期購読のお申込み
『致知』は書店ではお求めになれません。
電話でのお申込み
03-3796-2111 (代表)
受付時間 : 9:00~17:30(平日)
お支払い方法 : 振込用紙・クレジットカード