9 月号ピックアップ記事 /二十代をどう生きるか
人との出逢いが人生を形づくる 水戸岡鋭治(デザイナー)
日本初の豪華寝台列車「ななつ星in九州」をはじめ、従来の概念を打ち破るアイデアで、数々のデザインを手掛けてきた水戸岡鋭治氏。イラストを生業としていた氏が40歳でこの天職に巡り合えたのはなぜか。目の前の仕事に向き合い続ける中で掴んだ、人生を切り拓く上で大切なことを、実体験を交えてお話しいただいた。
目の前のステージに真心を込め、手を抜かずに全力を尽くすことで、新たな出逢いと次なるステージが現れてくる。
一つの出逢いが、すべてを決定づけるのです
水戸岡鋭治
デザイナー
40歳の時からJR九州の鉄道デザインを手掛け、早35年になります。いまなお毎日仕事に精進しているのは、仕事が大好きで、趣味だからに他なりません。
私のデザイナー人生を振り返ると、人との出逢い、一つひとつのご縁によって導かれてきたことを実感します。デザイン一つとっても自分で考えたものはなく、家族や友人、職場の人々をはじめ、新聞・映画といったあらゆる出逢いの中で閃いたものなのです。
デザイナーの道に生きる決意をしたのも、まさにご縁の巡り合わせといえるでしょう。岡山県で家具製作所を営む両親の元に生まれた私は幼い頃から絵を描くことが得意で、褒められるのが嬉しくてどんどん描くようになりました。
そして小学6年生の時、船の完成予想図を描いたある一枚の絵に出逢います。船内が緻密に描かれたリアリティ溢れる絵を見つめ、朧気ながらもこういう絵を描く仕事がしたいと込み上げてくる思いがありました。
▼「手間隙かかる仕事が基礎を築く」「誠心誠意向き合えば道は拓ける」「非常識を常識に変える」等、固定観念に縛られない発想で鉄道デザインに革命をもたらした氏の足跡を通じて、天職を手繰り寄せる秘訣が見えてきます。全文は本誌をご覧ください!
プロフィール
水戸岡鋭治
みとおか・えいじ―—昭和22年岡山県生まれ。41年岡山県立岡山工業高校工業デザイン科卒業。47年ドーンデザイン研究所設立。建築、街づくりなど幅広いジャンルのデザインに携わる。62年福岡市の「ホテル海の中道」のアートディレクションをきっかけに、「つばめ」「ソニック」などのJR九州の鉄道デザインに着手。平成25年日本初の豪華寝台列車「ななつ星in九州」は大きな話題を呼んだ。国際鉄道デザインコンテスト「ブルネル賞」「毎日デザイン賞」「菊池寛賞」など受賞多数。著書に『あと1%だけ、やってみよう』(集英社インターナショナル)『水戸岡鋭治:デザイン&イラスト図鑑』(玄光社)など。
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