8 月号ピックアップ記事 /対談
バリアフリーな社会を目指して 小澤綾子(会社員/歌手) 中嶋涼子(車椅子インフルエンサー)
全身の筋肉が徐々に失われていく難病を患った小澤綾子さん。原因不明の脊髄炎で下半身が動かなくなった中嶋涼子さん。共に車椅子が必要な身となっても前進し続ける二人の活動が、見る者の心を動かし、様々な場で渦を巻き起こしている。その笑顔の奥に秘められた思い、乗り越えてきた苦悩、そして二人が目指すバリアフリーな社会についてお話しいただいた。
目指しているものがあれば、どんな大変なことに直面しても、この道は通らなければいけないと思えて、大変なことが大変に思えなくなります
小澤綾子
会社員/歌手
私は進行性の難病を抱えているので、自分の力でできないことが少しずつ増えています。そういう毎日を送っていると、〝いま〟が本当に特別な瞬間であることを忘れてはいけないと思います。
そして私は、一人では決してここまでくることはできませんでした。本当にたくさんの人に支えていただいてきましたし、素晴らしい出会いに恵まれて人生がガラッとよいほうに変わってきたので、すべてに感謝する気持ちを忘れたくないですね。
障碍者の自分がいろんなことを楽しんでいる姿を見せることで、少しでも明るく、前向きに生きていける人が増えてほしい
中嶋涼子
車椅子インフルエンサー
後悔しない人生を送りたいから、自分にできること、目の前にあることをとにかく必死にやり続けて、来たチャンスを掴んできただけなんですけど、その支えになっていたのが、心のバリアフリーが進んで、生きづらい人がいない社会をつくりたいという思いでした。
そんな社会が本当に実現する日を夢見て、これからも覚悟を決めて前へ進んでいきたいですね。
プロフィール
小澤綾子
おざわ・あやこ――昭和57年千葉県生まれ。20歳の時に難病・筋ジストロフィーと診断される。平成18年明治大学経営学部卒業後、日本IBM入社。働きながら、音楽活動と講演を通して「いま」を生きる大切さを全国に伝えている。2025関西万博応援ソングを歌うバンドのメンバーに参加中、東京コレクションモデル、ドリームプランプレゼンテーション世界大会感動大賞受賞。著書に詩集絵本『10年前の君へ 筋ジストロフィーと生きる』(百年書房)がある。
中嶋涼子
なかじま・りょうこ――昭和61年東京都生まれ。小学3年の冬、突然歩けなくなり、横断性脊髄炎と診断される。高校卒業後に渡米、平成23年南カリフォルニア大学映画学部卒業。帰国後、通訳、翻訳の仕事を経て、28年FOXネットワークス入社。29年退職後はユーチューブチャンネル「中嶋涼子の車椅子ですがなにか?!」の運営などを通じ、障碍者の思いを発信する車椅子インフルエンサーとして活動中。
編集後記
会社勤めをしながら歌手として活躍する小澤綾子さん。YouTubeチャンネルなどを通して心のバリアフリーを伝え続ける中嶋涼子さん。共に難病のために若くして車椅子生活を余儀なくされていますが、その前向きな生き方とどこまでも明るい笑顔は、人生いかなる境遇にも絶望してはならないと、大きな勇気や希望を与えてくれます。
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