明治天皇に学ぶ日本人の生き方 岡田幹彦(日本政策研究センター主任研究員)

今年(2022)御生誕170年、崩御から110年という記念すべき年を迎える明治天皇。しかし、その実像や日本近代化に果たした役割は、正しく理解されているとは言い難いのが現実である。日本の近代史に精通する日本政策研究センター主任研究員の岡田幹彦氏に、明治天皇の偉大なる精神と私たち日本人へのメッセージを紐解いていただいた。

明治天皇が日本人の生き方、倫理道徳の根本として最も大切にされたもの、それをひと言で表せば「まこと」である

岡田幹彦
日本政策研究センター主任研究員

19世紀後半から20世紀にかけて、ほとんどすべての非西洋諸国が欧米列強の植民地・属国となった。

しかし、我が日本民族のみが近代国家として新生し独立を全うすることができた。のみならず、当時世界一の陸軍国・ロシアを日露戦争で打ち破り、全世界を驚嘆させ、西洋列強の植民地支配を終わらせる端緒を開いた。これこそまさに世界史の奇蹟であった。

ではなぜこの日本の奇蹟はあり得たのか――その最大の理由は国家を統合し、国民を一致団結せしめる〝天皇〟が存在したからである。

幕末・明治日本には多くの優れた人物が現れたが、近代日本を代表する人物をただ一人挙げるとするならば、やはり明治天皇であろう。明治天皇なくして近代日本の歴史はあり得なかった。

しかし、明治天皇の御存在がいかに偉大であったか、知らない日本人が大半だろうと思う。なぜなら、偏向した戦後教育により、私たちは明治天皇が果たされた重要な役割を教えられてこなかったからである。

プロフィール

明治天皇

嘉永5(1852)年~明治45(1912)年。第122代天皇。御名は睦仁(むつひと)。御称号は祐宮(さちのみや)。日清・日露戦争、不平等条約の改正等、激動の明治日本の近代化を導かれ、世界から明治大帝、睦仁大帝(Mutsuhito the Great)とも称された。

岡田幹彦

おかだ・みきひこ――昭和21年北海道深川生まれ。國學院大學中退。学生時より日本の歴史・人物の研究を続け、月刊『明日への選択』に数多くの人物伝を連載すると共に、全国各地で歴史講座や歴史講演会を行う。平成21 ~ 22年『産経新聞』に「元気のでる歴史人物講座」を連載(103回)。著書に『親
日はかくして生まれた』(日本政策研究センター)『日本の誇り103人』『日本の偉人物語1 ー7』『日本の母と妻たち』(いずれも光明思想社)など多数。


編集後記

なぜ明治日本はアジアで唯一、近代化を成し遂げられたのか。そこには明治天皇の並々ならぬご覚悟があったと、日本史に精通する岡田幹彦さんは言います。岡田さんが涙ながらに解説した明治天皇の日本を思う御心に、日本人としての誇りを呼び覚まされる思いがします。

2022年7月1日 発行/ 8 月号

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