8 月号ピックアップ記事 /私の座右銘
意志あるところに道はある 草野仁(TVキャスター)
TBS系『世界ふしぎ発見!』でお馴染みのTVキャスター草野仁さん。同番組は放送開始から37年が経ち、草野さんご本人は78歳になられたというから驚きです。NHKアナウンサーとしてキャリアをスタートさせて以来、第一線に立ち続ける現役の放送人が、プロフェッショナルとしての覚悟を語ります。
たとえ日の当たらない仕事でも全精力を集中して向き合うことを積み重ねていって初めて、比重の重い、脚光を浴びる仕事を任された時も100%の力を発揮することができる
草野仁
TVキャスター
世の中で起こる様々な出来事を、自ら取材し、お茶の間にリポートする。大学で社会学を齧っていた私は、もともとテレビの取材記者に憧れを抱いていました。
というのも、ちょうど在学2年目の1964年、東京オリンピックが中継され、テレビが日本中に凄まじい勢いで普及していたからです。
民放にも魅力を感じましたが、4年生になると友人たちの「NHKは潰れないぞ」との声に押されてNHKを受験。願書には志望職種を書く欄が4つあり、第一志望にはもちろん記者、最後は仕方なくアナウンサーと埋めて提出しました。
ところが面接を経て、届いた採用通知にはなぜかアナウンサーの文字がありました。
何かの間違いだろう……。唖然としながら、電話で確認してみるも結果は同じでした。当時マスコミの試験は各社同じ日程で行われており、他局を受け直すには就職浪人しかありません。大学受験で一年浪人していた手前、もう親に迷惑はかけられないと覚悟し、しぶしぶ入社を決めたのでした。
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現在も第一線でご活躍されている姿からは想像できませんが、初めはアナウンサーになるつもりなど全くなかったという草野さん。意に沿わない仕事を与えられ、どのように道を切り開いてきたのか? どんな職業、立場にも通ずるプロフェッショナルとしての哲学、座右の銘について深くお話しいただきました。
プロフィール
草野仁
くさの・ひとし―昭和19年満州・新京生まれ、長崎県育ち。42年東京大学文学部社会学科を首席で卒業後、NHK入社。鹿児島、福岡、大阪の各支局を経て52年東京アナウンス室。60年退社、以後はフリーで活動を続ける。著書は『老い駆けろ! 人生』(角川新書)『話す力』(小学館新書)など多数。
編集後記
事務所に入った瞬間、草野さんはテレビを通して拝見していた通りの柔和な雰囲気をまとってお出迎えくださいました。終始、よどみない語りで人生を振り返っていただき、弊誌はどんどん惹き込まれました。意に沿わない境遇に置かれても心を腐らせず、「ではどうするか」と失敗を徹底的に研究し、遂には目標を達成されてきた姿が目に浮かび、心鼓舞される時間となりました。
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