紙の本が脳を創る ~脳を鍛える習慣を失わないために~ 酒井邦嘉(東京大学大学院総合文化研究科教授)

「言語脳科学」の第一人者である酒井邦嘉さんは、紙媒体の本を読むことが人間の脳によい刺激を与えることを様々な研究を通じて明かにしてきました。また、インターネットや人工知能に過度に頼ることは、人間の脳を退化させてしまう、人間は考える力を失ってしまうと警鐘を鳴らします。酒井さんが語る紙の本の効用、そして自ら考え、新しい物事を創造していく脳の作り方とは?

自分の頭で考えることを疎んじる世の中になれば、人は人間でなくなってしまいます

酒井邦嘉
東京大学大学院総合文化研究科教授

フランスの哲学者パスカルが「人間は考える葦である」と述べた真理は変わりません。

考えること、創造することは、人間の脳に備わる最高次の知的能力であり、人間はそのことに最大限の生きがいや楽しみを覚える生き物なのです。自分の頭で考えることを疎んじる世の中になれば、人は人間でなくなってしまいます。

自らの脳を鍛え、日々その能力を更新することは、それほど難しいことではありません。紙の本の読書を続ければよいからです。じっくり時間をかけて本を読み、解釈を積むことで、想像力が自然と育まれます。

プロフィール

酒井邦嘉

さかい・くによし――昭和39年東京都生まれ。東京大学理学部、同大大学院理学系研究科博士課程修了後、同大学医学部第一生理学教室助手、ハーバード大学医学部リサーチフェロー、マサチューセッツ工科大学客員研究員を経て、平成9年東京大学大学院総合文化研究科助教授。24年より同教授。著書に『言語の脳科学』(中公新書)『脳を創る読書』(実業之日本社)『チョムスキーと言語脳科学』(インターナショナル新書)、編著に『脳とAI-言語と思考へのアプローチ』(中公選書)などがある。


2022年7月1日 発行/ 8 月号

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