その他の東洋古典の名言 呻吟語
明末の儒者・呂新吾が三十年の長きに渡り、良心の呻きから得た修己治人の箴言を書き留め、まとめた啓発の書。六巻本で、内篇外篇に分かれ、全十七章より成る。読みは「しんぎんご」
深沈(しんちん)厚重(こうじゅう)なるは、これ第一等の資質。磊落(らいらく)豪雄(ごうゆう)なるは、これ第二等の資質。聡明(そうめい)才弁(さいべん)なるは、これ第三等の資質
(どっしりと落ち着いて深みのある人物、これが第一等の資質である。積極的で細事にこだわらない人物、これは第二等の資質である。頭が切れて弁の立つ人物、これは第三等の資質に過ぎない)
忍激(にんげき)の二字は、これ禍福の関(かん)なり
(じっとこらえて辛抱するか、一時の感情にかられて激発するか、どちらをとるかが幸と不幸の分かれ目となる)
身を修むるには、短を護らざるを以って第一の長進(ちょうしん)となす。人能(よ)く短を護らざれば、則(すなわ)ち長進すること日に至る
(自分を磨くためには、短所を隠さないこと、これが第一の近道である。短所を隠さなければ、目に見えて効果があがってくる)
君子の人を用うる、その効(こう)の同じきを必せず、各(おのおの)長ずる所を尽くさしむるのみ
(君子が人を使う場合、必ずしも同じような実績を期待しない。相手がそれぞれの長所を発揮できるようにしむけるのである)
今月の致知
最新号 5月1日 発行/ 6 月号
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古典・歴史の学びこそ人格を磨く要であり読書文化の復興が人類の命運を決する
中西輝政(京都大学名誉教授)
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読書は国の未来を開く
安藤忠雄(建築家)
山中伸弥(京都大学iPS細胞研究所名誉所長・教授)
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AI時代に負けない生きる力を育む子育て
内田伸子(お茶の水女子大学名誉教授)
川島隆太(東北大学加齢医学研究所教授)