好きを貫く 玉田元康(歌手)

昭和を代表するコーラスグループであるボニージャックス。レパートリーは世界各国の民謡、黒人霊歌、ジャズから、日本の民謡、童謡、唱歌を中心に数千曲を数え、凛々しい歌声、美しいハーモニーで多くの人々の心を癒やし魅了してきた。そのリーダーとして90歳のいまも現役でステージに立ち続ける玉田元康氏に、過酷な満洲からの引き揚げ体験、グループ結成のいきさつ、充実した人生を生きる要諦を伺った。
【写真=いなぎ苑の入居者の方々に寄り添いながら、童謡、唱歌を歌う玉田氏】

若い頃は物分かりのいい年寄りになろうと考えていたのですが、この年になってみると、頑固親父だと言われようが、「自分はこれがいい」で通そうと思っているんです。

好きなことを貫いていけば、たとえ一人ぼっちになったとしても自分というものを見失うことがない

玉田元康
歌手

――玉田さんがリーダーを務めるコーラスグループ・ボニージャックスは、今年で結成66年を迎えると伺いました。先ほどコンサートも拝聴しましたが、とても90歳とは思えない凜とした立ち姿、艶のある歌声に感動しました。

〈玉田〉
子供の頃は体が丈夫なほうではなかったし、お酒もよく呑むのですが、不思議と元気でね、病院で検査をしても優等生なんですよ。だから、生んでくれた親に感謝しろとよく言われています。

――どこも悪くないと。

〈玉田〉
ボニージャックスは早稲田大学グリークラブの当時のパートリーダーだったトップテナーの西脇久夫、バリトンの鹿嶌(かしま)武臣、セカンドテナーの大町正人と、バスの私の4人で1958年に結成されたんです。

僕が皆より1つ、2つ上ということもあって、プロデビュー後も学生時代の上下関係が急には抜けなかった。だから、ダークダックス(慶應義塾大学の男声合唱団のメンバーで結成)がお互いを渾名(あだな)で呼んでいるのを真似し、僕らも渾名で呼ぶようにしたんです。例えば、ぼんやりしている僕は「のぼ」というように(笑)。

途中で大町がリタイアしちゃったのですが、新しく若い吉田秀行さんに加わっていただいて、そんなこんなで、喧嘩しながらも仲良しでここまでやってきました。……(続きは本誌をご覧ください)

~本記事の内容~
■結成66周年、いまも現役
■早稲田大学で合唱に出合う
■90歳のいまが一番幸せ

プロフィール

玉田元康

たまだ・もとやす――昭和9年旧満洲安東市生まれ。終戦後に日本本土に引き揚げ、父の郷里・熊本県天草で過ごす。高校卒業後、早稲田大学に入学。早稲田大学グリークラブで研鑽を積み、33年コーラスグループ・ボニージャックスを結成してプロデビューを果たす。37年日本レコード大賞童謡賞、49年芸術祭大衆芸能部門優秀賞、58年日本レコード大賞企画賞、平成11年日本レコード大賞功労賞など受賞多数。現在はNPO法人日本国際童謡館に所属。


編集後記

取材前に玉田さんのコンサートを実際に聞かせていただきましたが、90になっても現役で歌うことができる喜びを心から噛み締めておられることが、とてもよく伝わってきました。山あり谷ありの玉田さんの歩みから、人生百年時代をよりよく生きる要諦を教えられます。

2024年6月1日 発行/ 7 月号

特集 師資相承

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