2 月号ピックアップ記事 /第一線で活躍する女性
主人が遺したものを引き継ぎ伝承する 山本久美(エスワイフード代表)
毎号分野を問わず、人生を真剣に生き、一隅を照らしている女性にフォーカスしている人気連載「第一線で活躍する女性」。創刊当初より読者の皆様からの高い人気を得ている人気連載です。今月は居酒屋「世界の山ちゃん」の創業者・山本重雄氏を夫に持ち、平成28年から代表取締役として活躍する山本久美代表にご登場いただきました。
私の座右の銘は「努力に勝る天才なし」なんです。そういう雑草魂があったことも、門外漢の私が曲がりなりにも五年間経営を続けることができている一因だと思います。
山本久美
エスワイフード代表
──山本さんは2016年から居酒屋「世界の山ちゃん」の代表に就任されていますね。
山本
創業者である主人が大動脈解離で突然亡くなりまして、遺志を引き継ぎ、代表に就任しました。「世界の山ちゃん」は主人が生み出したコショウ辛い「幻の手羽先」が看板商品で、コロナ禍で10店舗以上は閉店しましたが、名古屋を中心に全国に60店舗を展開しています。
──ホームページを拝見しましたが、独創的な企業理念を掲げていらっしゃいますね。
山本
ええ(笑)。この「立派な変人たれ」という理念は主人がよく口にしていた言葉で、「立派な人間になる」「明るく元気にちょっと変」という指針が付随します。
「立派な人間になる」とは人として立派になろうと〝努力すること〟自体が大事だとよく言っていました。「明るく元気にちょっと変」には〝ユニークで面白い〟だけでなく、〝変化をする〟という意味も含まれます。これらの合言葉のもと、常に楽しんで新しいことに挑戦していく社風があります。
主人は普段は真面目で温厚な人ですが、ちょっと変わっているというか(笑)、真面目に変な人でした。総会や入社式などでは大事な話をしながらも、いつも笑いが絶えませんでした。店舗が非常に多忙で、社員同士がギスギスしていた時に行われた会議では、七色のアフロの被り物をして大真面目に出席したと聞いています。スタッフがギスギスしていると必ずお客様に伝わってしまうので、明るく元気に、笑いが出るくらいでないと駄目だよ、という思いを込めていたのでしょう。
プロフィール
山本久美
やまもと・くみ――昭和42年静岡県生まれ。愛知教育大学卒業後、愛知県内で小学校教員になる。小学生のミニバスケットボールクラブチームを創設し、3度の全国優勝を果たす。平成12年居酒屋「世界の山ちゃん」の創業者・山本重雄氏との結婚を機に専業主婦に。
28年創業者の急死に伴い代表取締役に就任。コロナ前の令和元年には過去最高の年商81億円を達成。
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