【第6回】 不撓不屈の北里精神でイベルメクチンの実用化を急ぐ 花木秀明(大村智記念研究所 感染制御研究センター長・教授)

世界レベルで新型コロナウイルスのワクチンや治療薬の開発が進む中、北里大学が治療薬として治験を進めるイベルメクチンにも世界の注目が集まっています。COVID-19対策北里プロジェクト代表でもある花木秀明氏に、イベルメクチンの驚くべき効果と、今後の見通しについてお話しいただきました。

まだ結果を発表できる段階にはありませんが、私たちは北里大学病院や全国の関連施設を中心に2021年の実用化を目指して治験を進めている最中です

花木秀明
大村智記念研究所 感染制御研究センター長・教授

<花木>
 イベルメクチンは開発者である本学特別栄誉教授・大村智先生のノーベル生理学・医学賞受賞で一躍有名になった駆虫薬です。アフリカの発展途上国を中心に普及し、現在、一年間で約4億人に処方されていますが、特筆すべきは単に駆虫だけでなくデング熱やインフルエンザなど様々な感染症に有効であることが早くから確認されてきたことです。

 私たちはウイルスが武漢で出始めてすぐにその危険性を察知し、大学の運営母体である学校法人北里研究所の小林弘祐理事長に打診。2月には私が責任者となって「COVID-19対策 北里プロジェクト」を立ち上げました。
 北里研究所には「開拓」「報恩」「叡智と実践」「不撓不屈」という建学の精神があり、「感染症に力強く立ち向かうことこそ北里の精神である」という闘志が私の中に湧き上がってきたのです。新型コロナウイルスに最初から強い危機感をお持ちだった大村先生の「何とかしたい」という思いに共感したことも大きな力となりました。
  〔中略〕
 残念ながら今回、世界の対応は後手後手に回りました。そのことを教訓に私たちは新たなウイルスに対応できるよう、様々な角度からイベルメクチンの改良を進めています。そして、それは30年以上に及ぶイベルメクチンの研究の歴史があってこそ可能なものなのです。日々の取り組みが、そういう未来を見据えてのものであることも、ぜひお伝えさせていただきたく思います。

 イベルメクチンの様々な効果については、サンプルを多く得られる海外の研究機関から既にいくつかの興味深い治験データが報告されています。
 医学雑誌『Chest』に10月に発表されたある臨床データの論文では、標準治療で25.2%だった軽症、重症者の致死率がイベルメクチンを処方することで15%にまで低下したとされています。重症患者に限ってみると80.7%から38.8%に大幅に改善。一方、人工呼吸器を使った人のうち自立呼吸できるようになった割合は15.4%から36.1%と倍以上に高まっています。
 また、別の論文によると……【 全文は本誌をご覧ください!】

プロフィール

花木秀明

はなき・ひであき――昭和34年岡山県生まれ。59年北里大学大学院薬学研究科卒業。北里研究所部長、抗感染症薬研究センター長、感染防御学講座特任教授、感染制御研究機構教育担当部門長などを歴任。現在大村智記念研究所感染制御研究センター長・教授。COVID-19対策北里プロジェクト代表。


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