9 月号ピックアップ記事 /コロナの時代を生きる
【第1回】 ウイルスと闘うよりも私たちの反省を 鮫島純子(エッセイスト)
新型コロナウイルスは、いろいろな面で私たちに生き方や考え方の転換を投げ掛けています。本連載では、各分野で活躍される皆様がこの出来事をどう受け止め、向き合っておられるのかを紹介します。記念すべき初回は、このほど新紙幣への採用が決まった渋沢栄一翁の令孫であり、98歳現役のエッセイストである鮫島純子さんにご登場いただきました。
コロナ騒ぎの中で、「神様から使わせていただいている地球」や「肉体」への感謝を忘れ「使い捨て」「汚し放題」の最近の人間の生き方を反省するばかりです
鮫島純子
エッセイスト
<鮫島>
私は「コロナと闘う」「撲滅」という闘争的姿勢で恐怖不安を煽るのを冷静に踏みとどまり「反省」が先ではないかと考えております。
〔中略〕
戦前に成人していた私はコロナ騒ぎの中で、「神様から使わせていただいている地球」や「肉体」への感謝を忘れ「使い捨て」「汚し放題」の最近の人間の生き方を反省するばかりです。自分の欲にとらわれる世界から、魂のレベルをもう一段階上げることが、いま私たち人間には求められているように思います。
三密の場で第2波3波到来となる現実を観る時、「果たしてこの職場は必要なのか?」「自然の意志に反する職業ではないのか」を考えるチャンスかとも思います。
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肖像写真=渋沢栄一:国立国会図書館「近代日本人の肖像」より
プロフィール
鮫島純子
さめじま・すみこ――大正11年東京生まれ。昭和17年結婚。祖父は渋沢栄一、父は栄一の四男で実業家の渋沢正雄。著書に『なにがあっても、ありがとう』(あさ出版)『毎日が、いきいき、すこやか』(小学館)『祖父・渋沢栄一に学んだこと』(文藝春秋)など。
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