剣道が教えてくれた勝ち続ける要諦 宮崎正裕(神奈川県警察剣道名誉師範)

強豪ひしめく全日本剣道選手権大会で史上最多の6度優勝、さらには史上初の2連覇(2度)という偉業を成した神奈川県警察剣道名誉師範の宮崎正裕氏。今年5月には、剣道家として最高位である範士八段の称号を授与された。60歳になるいまもなお道場で剣を交え、後進を教え導き、日本剣道界を牽引し続けている。剣一筋50余年の歩みから宮崎氏が掴んだ勝ち続けるための要諦、そして人生を勝利に導く大事とは――。

相手に対して最後まで気を抜かない、心を決して崩さない。それがあらゆる分野に通じる大事であり、人生に勝ち続ける要諦であるように思います

宮崎正裕
神奈川県警察剣道名誉師範

――宮崎さんは今年5月に、剣道の最高段位である範士八段審査に合格されました。まずは現在の心境をお聞かせいただけますか。

〈宮崎〉 
ひと言で言えば、これまで剣道を辞めなくて本当によかったという思いですね。小学1年生で剣道を始めた頃のことを思い起こすと、剣道を辞めたいという気持ちのほうが強くありました。しかしその時々に両親や師匠、いろんな方々に支えられ、続けていく中で次第に剣道の素晴らしさや達成感を実感するようになり、気がつけば剣道に引っ張ってもらうといいますか、生かされるような形でここまで歩んできました。

ですから、今年60歳で定年退職を迎えると共に、範士八段の称号をいただいた時には、剣道への心からの感謝が込み上げてきました。自分が範士八段なんてとても信じられないことですよ……。

――日本剣道界、後進の範となる立場として、今後どのようなことに取り組んでいきたいですか。

〈宮崎〉 
範士になったからといって、突然偉くなったわけでもないですし、いままで通りの自分でいいのかなと思っています。いま心掛けているのは、やれる限り道場に一回でも多く立って、一本でも多く稽古を積むことです。これは信条でもあります。その中で範士に合格する条件である……(続きは本誌をご覧ください)

プロフィール

宮崎正裕

みやざき・まさひろ――昭和38年神奈川県生まれ。東海大付属相模高校を卒業後、神奈川県警に奉職。以後、史上最多の全日本剣道選手権大会優勝6回(2度の連覇含む)、世界選手権大会個人優勝、全国警察剣道選手権優勝、世界選手権団体優勝、全国警察剣道選手権大会団体優勝、全日本選抜七段選手権優勝、全日本選抜八段優勝大会優勝(2連覇)など前人未到の戦績を残す。神奈川県警察剣道首席師範を経て現在は剣道名誉師範。令和5年剣道範士八段。第15~18回世界選手権女子日本代表監督。指導者としても5人の日本一(全日本剣道選手権優勝者)を育てる。著書に『勝ち続ける技術』(サンマーク出版)。


編集後記

全日本剣道選手権大会に史上最多の6度優勝した剣道範士八段の宮崎正裕さん。また指導者としても、5人の日本一の剣道家を育ててこられました。宮崎さんの淡々とした語り口と、一見、当たり前のように見える実践の歩みには、ただ勝つのではなく、人生・仕事に「勝ち続ける」極意と法則がぎっしり詰まっています。取材時、剣道の防具を身に纏い、竹刀を構えた時の宮崎さんのオーラには圧倒的なものがありました。

2023年12月1日 発行/ 1 月号

特集 人生の大事

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